非恋愛のススメ!? 「恋は盲目」以前に

金子清和
バンクーバーめぐみバプテスト教会牧師。

 「神あい結婚」は、人間の判断力の限界を補います。恋愛結婚を含め、配偶者の選択に自分の意思を主体的に働かせるタイプの出会いの方法には、ひとつの根本的な問題、私たちの見る目の限界という問題が存在します。

 私たちは自分の能力の範囲内でしか相手を理解することができません。自分の意思で選択するとき、この制限がかかります。つまり、相手にすばらしい可能性が秘められていても、それに気づかずにその人を配偶者として選択しなかったり、また逆に、相手によくない可能性が秘められていてもそれに気がつかずに相手を配偶者として選んでしまうということです。これは「恋は盲目」以前の問題で、私たち人間の能力の限界のゆえです。

 たとえば、イエスの弟子の選択を私たちはどう見るでしょうか? ペテロは自信過剰で、ヨハネとヤコブは短気、熱心党(今で言うテロリスト)もいれば、ローマの手先だった収税人マタイといった具合に、これから神の国を建てていくうえでは、これらの人々はあまり適任でないと判断しないでしょうか。また、イエスを裏切ったユダはどうでしょうか? 彼は金銭の扱いに慣れていた収税人マタイをさしおいて、会計を任されたほどの人物でした。最期の晩餐のとき、イエスの横に自然に座れるほどの力量もありましたから、人間的に見れば使徒としてふさわしい人材と判断されていたのではないでしょうか?

 私たちの人を見る能力はとても限られています。その時点でのその人の人格しか見られず、その人の未来どころかその人の内なる特性を見ることもできません。また、人間の好みは変化します。ある時点で「この人は私のタイプ」と思って結婚しても、後に好みが変わることがあります。

 その点、神様は完璧です。あなたにとって最善のパートナーはどのような人かを知っています。「神あい結婚」は、この点で、人間の欠点を補うことができます。