風色のカレンダー 24 病める時も、健やかなる時も……
相馬正人
フォトグラファー
ずいぶん前の話だが、高熱でもう死ぬかと思うほどうなされた時、自分の人生を振り返って、家内と結婚できたから悔いなし、ポストカードも出版したし、我が人生思い残すことなし……と心の整理がついたところで、平常心で枕元にいた家内に、「俺が死んだら、もっと素晴らしい人が与えられると思うから、ちゅうちょせずに再婚するように」と遺言めいたことを言ったら、「はい」とあっさりうなずかれてしまい、ショックでしばらく立ち直れなくなったことがあった。別にそのことを根に持っているわけではないが、時折思い出すと、やはり本心だったのかもしれないと不安になる。
それはさておき、神の愛は不変だ。こっちのコンディションにかかわらず、神は「愛しているよ」と耳元でささやいてくれている、はずである。その声は、きっと小さくて静かな声だから、聞き逃さないようにしないと……。
今年は静かなクリスマスを迎えたい。
* 今回も事情により、表紙の写真を撮影している、ご主人の正人さんに執筆していただきました。