風色のカレンダー 3 慰めの香り

慰めの香り
相馬幸恵
ミニチュアクラフト

 庭で摘んだハーブの小枝の香りに、こころが慰められたことが幾度となくありました。こころ安らぐ香り、元気になる香り、リフレッシュする香りなど、ハーブの香りの効用はさまざまあるようです。

 ハーブに凝りだしたころは、クラフトに使ったり、お料理に使ったりと収穫の楽しみとホッとするひとときを味わいました。ある時、ふと思いついて、かわいらしいタイムの小枝やカモミールの花などを押し花にしました。友人への手紙に添えるためでした。

 ことばだけでは慰めきれない友に、私が精一杯できることは、祈ることと一枝のハーブを添えた手紙を出すことでした。

 封を開けたときの香りが、友の疲れたこころに触れてくれることを願いつつ……。

 ハーブのように私自身もまた、多くのことばを使わなくても人を慰めることのできる存在になれたらと願っています。