風色のカレンダー 8 夏の海

夏の海
相馬幸恵
ミニチュアクラフト作家

 まったく泳げないのに、無性に海を見たくなるときがあります。それは朝、昼、夜とそれぞれにちがった表情をもち、いつでも変わらずありのままを受け入れてくれる懐の深さを感じるからでしょうか。

  子どもたちが幼かったころ、よく夏休みに海に出かけました。海辺の散策はとても楽しく、特に人気のない早朝に、白いレースのような波打ち際を踏みしめるように歩くと、心が洗われるような気がします。昼は、乾いた砂浜でもっぱら宝探しです。美しい小さな貝殻やビーチグラスなど、いくら拾っても飽きません。

  そして、大好きな夜の散歩。静かに寄せては返す波の音や、ほんのりと夜空に浮かぶ黄色い月は、私の心をやさしく包んでくれます。この美しく広大な海を見ていると、創造主である神様も私の日々の歩みを見ておられ、平凡に過ごしているときも、問題に押しつぶされそうになっているときも、変わらず私とともにいて愛していてくださっていると、もう一度思い起こすことができます。

 「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。」(詩篇19:1)