3・11ブックレットシリーズ刊行!
震災後、日本はどう変わったか ■被災地での日々
野田 沢
日本基督教団 震災担当幹事補佐
昨年三月の震災後、被災教会と教会の仕えるその地に住む方々をお支えするために仙台に派遣されました。ガソリンもない中、毎日、自転車で被災地を走り、多くの人々と出会いました。
多くの被災者の方々が言われた「こんなもん……神も仏もあるもんかい」というあの震災は、本当に〝神も仏もない”出来事であったと思います。しかし私にとっては、その出来事の中に、また瓦礫と泥と苦悩する人々の背後に、神を探し求めた日々でもありました。そして、神や仏以外に何を頼りに明日を望めばいいのか、との思いも強く感じるものでした。
「こんなことでもなければ、(キリスト教会や若者の)あんたらに来て助けてもらいとうなかった」そう言われて、傷ついたボランティアたちもいました。「なんじゃい、あんたはキリストさんかい」と言われながら、その方々の心に触れ、信頼関係を築き、「このような方々とともにこの地で何をなすべきか」が示されていきました。
「この地に教会を」など微塵も思うことなく、ただ、この地とこの地に住む方々に仕えていくことが、この出来事への私たちの仕え方だと信じています。
〝神も仏もない”中で主の導きを信じ、聖書に誠実にありたいと願い、祈りに支えられて歩んだ「教会の営みとしての被災者支援センター」の日々を、本書を通して分かち合えればと願います。
『ボランティアの心』(仮)
野田沢著 80頁 840円
のだ たく
日本基督教団牧師。2008年より、日本基督教団学生・青年センター「学生キリスト教友愛会(SCF)」主事。2011年3月~6月まで、仙台にある日本基督教団東北教区被災者支援センター「エマオ」で支援活動を行う。その後も、被災地をたびたび訪れている。
****************
◆東日本大震災から1年――
今年3月に被災地・宮城県を訪れた
フィリップ・ヤンシー氏の来日講演集
大震災から1年後の3月、被災地・宮城県を訪れたクリスチャンジャーナリスト、ヤンシー氏の目に、その情景はどう映ったのか。こんな悲劇が起こることをなぜ神は許されたのか。「痛み」を負った人々にとってキリストはどんな存在なのか。不条理な痛みについて改めて問い直した、仙台、東京での講演集。
『痛むとき、神はどこにいるのか』
鈴木茂、新美幸子共訳 96頁 945円