21世紀の伝道を考える 9 全世界に福音が伝えられるために(1)

ロアルド・リーダル
新生宣教団 総支配人

厳しい現状を見つめる
 ここ数年、多くの国々が経験してきたリバイバルは、かつてないほど大きなものです。まず今日のアフリカでは、人口の18~20%がクリスチャンだと言われています。そして、東南アジアの少数民族のクリスチャン人口の割合は、その比率をはるかに超えています。そしてロシアをはじめとする周辺の共和国や東欧では、数えきれないほどの人々がキリストを受け入れています。そして中国のリバイバルは、すべての面においてこれらの国々の勢いに勝っているようです。
 これらの国々の他にも多くの国では、必要とされる聖書の最低数を大きく下回り、厳しい現状にあえいでいます。中国ではすでに数々の異端グループが生まれ、アフリカでも間違った教えを信じたり、信仰を失う人が多く、教会の人々の心を痛ませています。決して変わることのない神のことばがなければ、クリスチャンは簡単に真理の道から外れ、彼らの伝道意欲にも大きな影響を及ぼすのです。
 
求めに応えきれない

 すばらしいことに神様は、ここ数カ月の間に、中国やその他の国々にみことばを届ける新しい道を開いてくださいました。それに伴い、私たちの協力を求める連絡も増え、同時に今までにないほど機会や可能性が与えられています。
 私たち新生宣教団では、できるだけ長い時間印刷機を稼動させるために努力しながら、聖書を二十四時間印刷し続けることもあります。ページ数にすれば、一時間で二百万ページ以上にもなる印刷を何日間も続けているのです。
 こうして毎週のように、大きなコンテナにみことばが積み込まれ出荷されているにもかかわらず、Eメールやファックス、電話などでもっと多くの聖書を一刻も早く届けて欲しいとの連絡が入ります。実際、様々な種類の聖書が印刷を待つばかりになっていますが、私たちは、こうした聖書を求める人々の要望に、十分に応えきれていないのが現状です。
 このような状況の打開策として、神様は私たちに信仰をもって新たなステップを踏み出すように求め、新しい大型印刷機を導入する方向へと導かれました。
 
新生宣教団の働き
 主から私たちに与えられたこのチャレンジのプロセスを、以下にまとめてみました。
 新生宣教団は四十年以上にわたり、日本をはじめ世界の人々のために、旧新約聖書、福音を伝える小冊子などを印刷することで 蛯ノ仕えてきました。そして現在、最新鋭の大型高速印刷機を稼動させることにより、毎週数十トン相当の貴いみことばの印刷が可能になりました。みことばを安価に生産できることは、まさに神様の恵みです。
 東京近郊の私たちの本部では、日本人スタッフと七カ国から集められた宣教師など約六十人が、日々文書伝道に従事しています。今日に至るまで印刷されたみことばは、かなりの数量になりますが、それにもかかわらずみことばの必要性は増大する一方です。
 
中国・東南アジア
 ところで世界最大の人口を抱える中国のリバイバルは今、前例がないほど大きな広がりをみせています。そのため、中国にいかに多くのクリスチャンが存在するのか、明確な人数は把握できませんが、おそらく約7~8千万人ものクリスチャンが存在するのではないかと推定されています。またその中で、自分の聖書を持っている人は、約30%といわれています。
 この現状こそ、私たちの大きなチャレンジとなっています。リバイバルの炎は、中国全土に広まり、みことばはますます必要とされています。私たちは最大限の努力をしていますが、なかなかその必要を満たすことができません。
 一方東南アジア諸国の状況の方がまだよいかというと、決してそうではありません。ミャンマーで必要とされている聖書の数は、驚異的です。「ザ・バイブル・リーグ」の協力により、数年間にわたってカレン語、カチン語、ビルマ語聖書を印刷し、送り届けてきましたが、必要が十分に満たされるにはほど遠いという状況です。また、ベトナムの少数民族でも同じように聖書が必要とされていますし、みことばに飢え渇いているフィリピンの兄弟姉妹たちの状況も深刻です。
 このように数年前までは知り得なかった速さで神の国が前進するのに伴い、みことばの必要性も非常に増大しているのです。    (つづく)