29年ぶりの大改訂!新聖書ハンドブック Small but Great

『新聖書ハンドブック』
能勢誠
カルバリー・バプテスト 豊田キリスト教会牧師

聖書研究に欠かせなかった旧版の思い出

 私の手元には、一九八〇年三月二〇日に出された、赤色カバーの『ハーレイ聖書ハンドブック』があります。思えば、学生時代に初めて購入した聖書事典でした。当時は、どういう聖書事典や注解があるのかも知らず、キリスト教書店に立ち寄った際に、ふと目にしたのが本書との出会いでした。気に入った点は、手に余るほど分厚くなく、しかし内容は旧約から新約まで網羅しており、それほど専門的なものでもない(十分に高度な内容ですが、神学者だけを対象にしたものではない)という点。ハンディな書物ではあるが、聖書にまつわる様々な事柄も、実によくまとめられているなと感じた点。何と言っても一番の決め手は、学生でも十分に買える額であったという点です。即座に購入したのを覚えています。以来、聖書研究の際には欠かせない座右の書となったのは言うまでもありません。これ一冊で十分、事足りました。

すっきりしたレイアウトでわかりやすい新版

 この度、その『ハーレイ聖書ハンドブック』が、新版となって世に出ることになりました。早速見せていただいたので、その感想を記したいと思います。
  1. 現在持っているハンドブックは、さすがに二十九年の歳月を経ているので、データ的には古くなっている箇所も見受けられます。今回の改訂では、特にその点に修正が加えられており、よりアップデートなものにされているのは、嬉しい限りです。
  2. より、視覚的な効果が得られていると感じます。確かに比べてみると、レイアウトがすっきりしており、読みやすくなっているのがわかります。また、図表なども新たに挿入されていて、一見してわかりやすいと感じました。コラムなども、独立した囲み記事になっており、とらえやすいと思います。
  3. 文字が以前のものより大きくなり、読みやすいものとなっています。これは、大きなポイントです。

新聖書ハンドブック活用ガイド

 以上が、新版の印象ですが、このハンドブックは、一般の聖書注解書のように一節、一節を釈義して解説するものではなく、章ごとに、あるいは段落を単位として解説を加えているので、大要をつかむことができます。

 聖書本文が重要なのは言うまでもありませんが、聖書を読んだ後、このハンドブックを読むことにより、大要を知ることができます。また、歴史的な背景や習慣、地理などを知ることによって、より立体的な理解を得られます。さらに詳細を知りたいときは、聖書注解なり、聖書事典を調べれば良いでしょう。

 クリスチャン一人ひとりが個人のデボーションにおいて、このハンドブックを座右に置いて聖書を紐解くなら、より深い理解と充足感を与えられると信じます。まさに、small but great な存在と言えるでしょう。

 もちろん、信徒だけでなく教職者であっても、使用に十分堪えるものであることは間違いありません。現に牧師となった今も、ティンデルなど多くの注解書に囲まれていますが、ハーレイのハンドブックとの付き合いは続いています。いえ、これからも赤いカバーの使い慣れたハンドブックは、座右に置かれ続けるでしょう。もちろん新版もそろえて、両刀(?)使いで!