CD Review ◆ CD評 「コスモスのように」
國分広士
日本福音キリスト教会連合・中野島キリスト教会牧師
親子のはずむ会話が聞こえてくるよう
一九七七年、北朝鮮に拉致されたまま、いまだ戻らない横田めぐみさん。母、横田早紀江さんのための拡大祈祷会の折に、シンガーソングライターの岩渕まことさんご夫妻によって初めて歌われたときから、「ぜひ自分もおぼえて歌いたい。録音が手に入らないか」と願っていました。それが、ついにCDとなって販売されることとなり感謝でいっぱいです。先日は筆者の地元の区役所で横田氏撮影の家族写真展があり、横田氏ご夫妻もご挨拶に見えられました。その際にも、バックグラウンド・ミュージックとして、この「コスモスのように」が流れていました。
「めぐみちゃん。ほら、今年もコスモスにトンボがとまっているよ。」「コスモスって普通は細くて風に揺れるけど、お母さんの育てたコスモスって、茎も太いし花も大きいし、風にも揺れないよ」(笑)と、誰にでもなじみやすいメロディーと、親子のはずむ会話が聞こえてくるような歌詞。それを「母の歌だから」と奥さんに歌わせる岩渕まことさんの心配りにも感動します。
このCDの売上の一部は、拉致被害者家族会の活動のための寄付金にもなるそうです。
横田さんは「遠い空の向こうにいる、めぐみちゃん あなたも」と、きっと今も解放を待ちこがれている娘さんに母の思いが届くように願いつつ、「お母さんの育てたあなたなのだから、きっとあのコスモスのように逆境の中でもしっかり生きているのね」と慰め励ましています。
この歌が遠く北朝鮮で帰国を待ち望んでいる、めぐみさんをはじめとする拉致被害者の方々の耳にも届いてほしいと、切に願うものです。
- 収 録
- コスモスのように
岩渕まこと&由美子 - コスモスのように
カラオケ(オリジナル B♭) - コスモスのように
カラオケ(一般用C) - コスモスのように
朗読‐横田早紀江