CD Review ◆ CD評 「AWAKENING / PASSION」
伊藤 治哉
心と魂が喜びと感動で溢れたライブを収録
四年前、私はナッシュビルのGMAに参加した際に「朝食がただで食べられる」という誘いのことばに乗り、わけもわからず中世のバロック建築を思わせる重厚なホテルの一室で行われた謎のミーティングに出席した。ビュッフェで皿を山盛りにして席に着くと目の前になんとクリス・トムリンとデビッド・クラウダーが座っているではないか! この二人は今アメリカのワーシップシーンを文字通りリードするアーティストで、その集いこそがPASSIONのミーティングだったのだ!早口の英語で聞き取りにくかったがどうやら日本もそのツアーに含まれているらしく、リーダーのルーイの口から幾度となくTOKYO,JAPANという言葉が聞き取れた。そしてそれから二年が経った二〇〇八年、遂に彼らが大挙して日本にやってきたのだ! このビッグプロジェクトは大学生を中心とする若者たちのためのワーシップコンサートで、先の二人に加え、これまた大物のマット・レッドマンも共に来日し素晴らしいワーシップのひとときが実現したのだ! そしてさらに二年が経った今年、再びPASSIONが来日し、国際フォーラムが三千人の会衆と賛美で満ちたのだ! クリス・トムリンと会衆が一つとなって神様に賛美を捧げるうちに心と魂が喜びと感動で溢れ、特にアメイジンググレイスに続いて今人々の心をとらえているワーシップソング「How He Loves Us」では、胸がいっぱいで泣けてしまった。そんなパッションのライブをそのまま収録した最新アルバムが「AWAKENING」!特筆すべきは最後の曲にHillSong United の「With Everything」が収録されている事だ。アメリカで生まれたビッグプロジェクトにオーストラリアのトップランナーがジョイントし、パワフルに主を称賛している。また「How He Loves Us」のデビッド・クラウダーバージョンも感動もの。この一体感とダイナミックな臨場感、そして一流のアーティストが奏でるスキルとスピリットを肌で感じていただけたらと思う。