CD Review ◆ CD評 「j-worship -Vol.5-
主がそばにいるから」
細井 眞
カテドラル・オブ・プレイズ 十条キリスト教会牧師/日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団理事
油注がれた賛美が素晴らしい
j-worship Vol.5が完成したと聞いて早速、聴いてみた。通常、外国の曲を翻訳するのは中々難しさを覚えるものである。なぜなら、訳詞は元の詩を生かしつつ、曲の雰囲気を壊さずに訳すという困難な作業をしなければならないからである。これが首尾よくなされなければ、世界でどんなに用いられてきた賛美でも、日本では用いられない賛美になってしまう。もちろん、CDとなれば、アレンジや演奏者、とりわけ、リード・シンガーの責任は重いということになる。このCDは最初の一曲から最後の日本のオリジナル曲に至るまで、これらの要素が非常に高い完成度で仕上がっている。実際にCDをかけてみると、今アメリカでもっとも用いられているワーシップリーダー、クリス・トムリンの「Sing Sing Sing」が聞こえてきた。インパクトのある出だしに圧倒された。原曲と比べても勝るとも劣らない仕上がりに心躍らせながら、次から次へと聴き入った。陣内大蔵、松本優香、水野弘子らの個性的で魅力的な声がこのCDの価値をさらに高めている。私は牧師をしているので、曲を判断する時の視点が、聖書的に、神学的に問題がないかを見ることはもちろんであるが、油注ぎのある賛美かどうかに大きなポイントを置いている。教会に集まる人びとがこの賛美を捧げることを通して間違いなく、主イエス・キリストの十字架の恵みを覚え、創造主なる神をほめたたえ、聖霊の豊かな臨在を覚えることができるかが教会で持たれる礼拝の生死に関わると思っているからである。なぜなら、賛美での私たちの目指すところはあのソロモンの神殿奉献に際して、主ご自身を一致して賛美すると「主の栄光が神の宮に満ちた」(Ⅱ歴代五・一四)というものではないかと思うからだ。この意味でも、j-worshipシリーズが5回で閉じられてしまうのが大変残念である。世界中の油注ぎのある賛美の紹介という視点からもぜひ、違った形でワーシップCDを出し続けていただきたいものである。今後も大いに期待したい。