CD Review ◆ CD評 「SOTTOVOCE -優しい声をきいて-」
ジョシュア佐佐木
教会音楽家養成学校「ワーシップ ジャパン」学長
天使たちからの優しい励まし
年間の自殺者三万人以上。不景気。倒産件数増加。派遣切り。格差社会。貧困。高齢化社会。孤独死。餓死。薬物汚染。連続殺人。無差別殺人。政治不信。閉塞感。これらの絶望的な言葉は、今の日本の状況をあらわす時に用いなくてはならないキーワードの数々です。
黒い雲に覆い尽くされてしまったような現代日本人の心は、希望の光を切に求めています。やすらぎを求めています。そして、癒しを求めているのです。
今回リリースされるKumi-KoのCD「Sottovoce」は、まさにこのような混沌とした鬱の時代に必要な作品なのです。
超有名な楽曲「ダニーボーイ」「スイングロウ」の新しい解釈でのカバーと四曲の素敵なオリジナル曲からなる全六曲のミニ・アルバムから溢れ出てくるKumi-Koの歌声は、彼女が住むカリフォルニアの澄み切った大空のように透明感があり、聞く者の心に深いやすらぎを与え、心の底から、そして体の芯から癒してくれるのです。
タイトルの「Sottovoce」はイタリア語で「耳元でやさしくささやくような声」という意味です。まさに、天使たちが耳元に来て、優しい声で「恐れないで主だけを見つめて行きなさい。」と励まし続けてくれているようなCDです。
前述のキーワードの数々に象徴される現代日本ですから、私たちの周りには疲れてしまっている人、苦しんでいる人、痛みや病いと戦っている人、愛する人を亡くし悲しみに暮れている人、経済的困難を覚えている人など試練の真只中にいる方々が沢山います。
是非、そのような方々にこのCDをプレゼントして下さい。そして、恐れないで主だけを見つめて行く時に本当の希望の光が見えてくることを優しく伝え、教会へと導いてあげて下さい。
このCDを本当の希望の光、イエス・キリストへ導く灯台の光として用いて頂きたいのです。