CD Review ◆ CD評 『もうひとつの実を望まれ』

CD「もうひとつの実を望まれ」
松田悦子
ブリッジビルダーズ・ジャパン協力総務
東京「イ・チソン」講演会通訳
東京武蔵野福音自由教会会員

“きみは愛されるため生まれた”の返歌

 昨年、日本でも有名になり、子どもたちの悲しい事件が起きた町で静かなブームにもなっているという「きみは愛されるために生まれた」。この曲の返歌がある、と聞いていましたが、なかなか実際に聴く機会がありませんでした。

 初めて、「ト ハナエ ヨルメル パラシミョ」(「もうひとつの実を望まれ」の韓国語のタイトル)を聞いたのは、もう二年前になるでしょうか。自分も愛されているのだということを教えてくれた人への感謝、その人を与えてくれた神様への感謝と献身が込められたその歌詞に、心を揺さぶられました。

 その後、日本では耳にすることがなく、日本語に翻訳されることを楽しみにしていましたが、ついに今年、このCDが発売されました。同じ曲が三回(日本語、韓国語、ピアノ)収録されているミニアルバムですが、聞き応えは十分です。何よりも、日本語の歌詞は、韓国語を忠実に訳したもので、初めて韓国語で聞いたときと同じ感動を与えてくれました。

 一曲目は、リズムにのせて松本優香さんがしなやかに、二曲目は、ジョシュアさんが韓国語で静かに、しっとりと歌い上げます。そして三曲目の岩本正樹さんによるピアノインストルメンタルの優しいメロディからは、歌詞がなくても、曲に込められた思いが心に迫ってきます。

 私に「あなたは愛されるために生まれたんだよ」と教えてくれた人々の顔が思い浮びました。そのひとりひとりを神様が選ばれ、私の周りに植えてくださっている姿が目に見えるようでした。そして、私は望まれて、結ばれた実であり、さらに私自身も、もうひとつの実を望まれてこの世に植えられた存在なのだと気づきました。

 このCDを通して、ひとりでも多くの人々が、「愛されていること」「望まれた実であること」「もうひとつの実を望まれていること」を知ることができるように心から願っています。