CD Review ◆ CD評 『新しい朝』
関根一夫
ミッション・エイド・クリスチャン・フェロシップ代表
希望と優しい愛
もう十五年以上も前、私は横須賀市の市民クリスマスの講演を依頼されていました。その時の賛美のゲストがオリーブでした。ギターテクニックが抜群の優しい、そして明るく澄んだ歌声は会場を魅了しました。お茶の水クリスチャンセンターで開催されていたフライデーナイトという集会にも来て歌っていただきました。いつ聞いても心地よく、歌もギターも抜群でした。実は、私の弟も牧師ですが、十年ほど前、彼も夏のバイブルキャンプでオリーブと一緒に奉仕をし、すっかり、彼女たちの歌声に心を奪われたと述懐しています。素敵なギターを弾きながら、澄んだ歌声のハーモニーは、ふたりを際立たせ、大勢の人たちに安息を届けてきたおふたりでした。やがて、ふたりは互いに住まいが遠く離れ、それぞれの結婚、出産、育児、家庭生活、そして仕事など、様々な場面を通過しながら賛美の心を失うことなく、ここまでじっと歌詞や曲を蓄えてきたのです。そんなオリーブが、あたらしいCD「新しい朝」と一緒に帰ってきました。優しさも、明るさも、たくましささえ感じるほど穏やかに、母親となったお二人が楽しそうに「新しい朝」のアルバムの中で十六曲を歌い上げています。
いくつかの歌詞の中からは、母親としての視点や、大人としての視点がとても心地よく伝わってきます。そして神様の愛や罪の赦しも歌われ、不思議な説得力があるのです。あくまで自然体で歌われるその賛美からは、愛する喜び、愛される喜びなどがほとばしり出るように流れ出てきます。
常に希望と愛が優しくすべての曲の中に提示されていて、聞く人たちの心を、その優しい愛と希望の中に引き入れてくれます。実に心地よく、実に温かいのです。それぞれの曲の編曲や演奏や伴奏の巧みさは、さすがオリーブとうならせるものがあります。
帰ってきたオリーブのCD「新しい朝」を心から歓迎、推薦します。お聴きください。