CD Review ◆ CD評 『素直になって』 my Jesus

CD 素直になって my Jesus
若林 栄子
Lyre(リラ)

いつまでも心に残る賛美を

 「子どもの賛美のジャンルが増えたな」。このCDを聞いてまず率直に感じたことだ。曲目を見ると、昔から教会学校で歌われていたオーソドックスな曲「主が私の手を」、かつては大人が歌っていた「セレブレイト・ジーザス」、かと思えば、有名なハリウッド映画で歌われていたブラックゴスペルのOh Happy Dayなど、盛りだくさんである。

 こんなに多種多様な曲が一つのCDに入っているにもかかわらず、何の違和感もない。そればかりか聴いた後に「良いCDだな」と素直に思えるのは、すべての曲からあふれる元気いっぱいの子どもたちの声、それがジャンルの違いを感じさせないのだ。それはどんなジャンルの曲であっても、神さまを賛美するという、ひとつの目的のためにつくられたからではないだろうか。

 私が小学生だった頃、夜一人でトイレに行くのがとても恐かった。そんな時、自然と口ずさんでいたのがある賛美歌の一節だった。「主がついてれば 恐くはないと 聖書のうちに 書いてあります」。このフレーズを大きな声で歌っているうちに、恐れがすーと消えていったことを今でもよく覚えている。不思議だったのは、恐くなったらこれを歌いなさいと教えられていたわけでもなく、自分で歌おうと決めていたのでもないのに、なぜかいつもこの曲だった。今思うと、子どもの頃の素直な感性が気づかないうちにこのフレーズを選んでいたのかもしれない。

 心に残る賛美、それがあれば、たとえ小さな子どもでも、日常の様々な場面で大きな励みになると思う。「この曲は楽しいから好き」「とてもきれいなメロディだからこの曲いいな」、どんな理由であれ好きな賛美があって、それが子どもたちの柔らかな心に残っていくなら、素晴らしいと思う。賛美の持つ力は、とても大きいのだから。

 時にはリズミカルに楽しく、時にはアップテンポに、時にはしっとりと心に語りかけるように、様々なジャンルの賛美をこの一枚で聞かせてくれる「素直になって my Jesus」。きっと、子どもたちの心に残る特別な一曲が見つかる、そんな一枚だと思う。