CD Review ◆ CD評 『Child’s Heart』
みなみ ななみ
イラストレーター
ななみの音楽生活、聖と俗 二極化!?
音楽は好みで聴く。少なくとも私はそう。普段聴くのはJ‐POPとか今時の音楽なのに、神様のこと考えて音楽聴く時だけはいきなり聖歌と賛美歌だけ。なんてことはありえない、はずなんだけど。私が神様信じ始めた頃は「クリスチャン音楽」はあまり知らなかったのでなんかそれに近い状況だった。音楽聴く時はクリスチャンとは関係なくて聴きたい音楽を聴く。自分の生活や気持ちを好みの音楽で代弁してくれてるもの。そして神様~って思ってる時は好みとか自分の気持ちじゃなくて「神様用のちゃんとした音楽」をそれ用に姿勢正して聴いてたって感じかな。ななみの音楽生活、聖と俗二極化!?
音楽性の高さとか理論とかはよくわかんない。正しく発声してるとか演奏にそつがないかも私には関係ない。ただ自分の心にひっかかるかどうか、それがすべて。クラシック音楽を専門にしていた私の元ルームメイトは、私がアイドル歌謡をテレビで見てると耳が痛くなるって顔してたし。父は私がテレビの歌番組見てるといつも「この音楽はいったいどういう意味なんだ。説明してくれ」っていう。父にとってはビートもテンポもカタカナや英語がつまった歌詞も理解不可能。何が良くてそんなの聴いてるんだって、頭痛いらしい。
でも私、音楽は好みで聴く。だからいいの。そういう意味でいえばヒロ&リエは私の好み。そういえばヒロ&リエの演奏を初めて父と一緒に聴いた時の彼の反応。「あれはどういうことなんだ? 俺にはわからん」だった(ごめん)。彼は常に姿勢正しく正統派賛美用音楽を聴く人なので。
ヒロ&リエを聴く時、私は姿勢を正さない。私のぐちゃぐちゃな日常の不安で切ない気分を代弁してくれる。だからすっと自分の中に入ってくる。「神様に愛されてること」が「正しい伝道メッセージ」としてではなく、自分が使ってるような言葉と音楽で、私のささくれた心にそのまま届く。
「抱きしめられたなら きっと 他の誰かにならなくたっていいよって 思えるのかも知れないけど 心の奥で泣いてる……Jesus I need you 」に、涙。そして今日も寝っころがったまま聴く『Child’s Heart』。音楽生活二極化は終わりつつある。