CD Review ◆ CD評 『In His Hands』
─ ピアノ リビングプレイズ2 ─
佐々木 潤
レインボーミュージックジャパン代表
神の臨在が聞く者の心を平安で包んでくれる
インストゥルメンタル・アルバム・ピアノリビングプレイズ2『イン・ヒズ・ハンズ』が発売された。ピアノを演奏しているのは、何とナッシュビルで活躍中のピアニスト、ジェフ・ネルソン。昨年の来日コンサートでも大成功を収め話題になったが、彼のピアノを一度生で聞いたらきっとすぐにその奏でる音楽の虜になるに違いない。彼の奏でる音楽のすばらしさは、彼の礼拝者という姿勢に現われているように思う。決して自分自身を前に出すことなく、ひたすらに神様を賛美する中から生まれる音色はこの世のヒーリングミュージックにはない神様の臨在があり聞く者の心を平安で包んでくれる。
インストゥルメンタル・アルバムはややもすると、凝ったアレンジやテクニックを全面に出してしまいがちであるが、彼は決して飾り過ぎることなく限りなく音数を減らしているように思う。その音の空間が聞く人にとても心地良く感じられ、ずっと流していても決してうるさく感じることがない。
このアルバムの魅力は、ピアノだけでなく、二曲にバイオリンが入っていることである。これが、またすばらしく、美しいピアノの旋律を引き立てている。歌い継がれてきたリビングプレイズの名曲の数々が収録されていることもその魅力の一つだろう。中でも嬉しかったのは私の大好きな(そして誰もが知っているであろう)ダーリン・チェックの「SHOUT TO THE LORD」(邦題「叫べ全地よ」)が収録されていることである。聞いていると自然と心が神様に向けられ、一緒に口ずさんでいる自分に気づいた。
今の世の中には、音があふれている。忙しい現代人は朝起きてから、夜寝るまで絶え間なく雑音の中で過ごし、静けさという時間がほとんどないように思う。そのような中に生活している自分の数あるCDの中で、このCDはこれからの自分になくてはならない大切な一枚となりそうだ。このCDが多くのクリスチャン、そしてまだ神様を知らない人々の間で大きく用いられることを期待している。