CD Review ◆ CD評 『j-worship Vol.2』

「j-worship Vol.2」
北 秀樹
堺福音教会 東京チャペル

プレイズ&ワーシップの共時性が体験できる作品

 昨年8月にリリースされたj-worship vol.1に続くシリーズ第二弾である。vol.1同様に、ジャパン・ミッション・ミュージック・スクール学長のジョシュア佐佐木のプロデュースで、ゴスペル・ピアノの第一人者であるピアノ・コウジの洗練された秀逸なアレンジのもと全体的にさわやかなサウンドに仕上がっている。今回は大和田広美など参加したソロ・シンガーの幅も広がりvol.1以上に収録されている一曲一曲がバリエーションに富んだものとなっている。

 一九八八年にリリースされた「リビング・プレイズ」シリーズは、プレイズ&ワーシップが主に福音派の教会に浸透する大きな役割を担ったが、今回のj-worshipのシリーズも世界中から押し寄せてくるプレイズ&ワーシップの波を日本の教会やクリスチャンの生活にもたらしてくれるものとなるだろう。インティグリティーズ、ヴィンヤード、ヒルソングなど、今世界中で歌われている賛美の中で日本語版のリリースを願っていた作品がハイ・クォリティーにアレンジされ数多く収録されている。原曲が持つ、神に向かう人の思いがストレートに表現されており、これらが教会や個人の礼拝で用いられるときに主の臨在の恵みがもたらされることを期待したい。

 同時に「洋楽」だけでなく、日本で作られた賛美が二曲、ルターの「神はわがやぐら(讃美歌267)」の国分友里恵の詞によるアレンジなどがフィーチャーされているのは、日本の心情に沿った賛美、また新旧の賛美のブレンド融合という難しい課題に対するひとつの可能性を示すものだろう。全体の選曲や曲順からは総花的な印象が拭いきれないが、鑑賞するというより、教会や個人の礼拝での賛美をシェアしていくという観点からすれば、むしろ無理やりテーマに沿った統一感を求めるのではなく、一曲一曲を完結した作品として受け止め、その多様性の中から聴く者が自らの礼拝賛美のスタイルの中で選択していくという聴き方が求められるのではないかと思う。