CD Review ◆ CD評 『Joy!』
主を喜ぶことは私たちの力!

「Joy! 主を喜ぶことは私たちの力!」
木村 HIRO 洋幸
ゴスペルディレクター、HIRO’s Mass Choirリーダー

新しい日本のゴスペルスタイルに期待!

 一九九〇年頃より、アメリカから来たゴスペルミュージックが日本で広まりはじめ、各地でワークショップなどが開催されるようになった。賛美を通して主の癒しと無条件の愛を体験し、聖霊に満たされ、参加者であるノンクリスチャンがひとり、またひとりと救われていく。日本でのゴスペルミュージックは、主の計画によって、重要な役割を果たすようになってきたと思える。

 その中、常にリーダーシップをとり活動してきたMeg & Piano KOJIの新作がリリース。通算二作目にあたる今回の「Joy」は、日本人による日本のゴスペルとして、ボーナストラックを除くほぼ全曲、日本語で自らが作詞し、エッジの聞いたサウンドと融合させることに成功している。

 日本語なので、プレイズ&ワーシップや讃美歌を好む方にも聞きやすく、Piano KOJIのアレンジにより、洋楽ファンをも唸らせる仕上がりになっており、日本での新しいゴスペルミュージックのかたちが示された一枚だと言えるだろう。

 オープニング曲の「Victory」は主が勝利している事を確信させる行進曲の様な力強いナンバー。二曲目の「Jesus Christ」はとても重厚なバラード曲で、ハーモニーが綺麗なのに甘くないという感動的な仕上がり。一転して雰囲気が変わり三曲目の「アドナイ・エレ」はラテン調で明るく、新しい朝を迎えた様な清々しい気持ちになる。五曲目の「主の御手の中で」はMeg & Piano KOJIの、あくまで主が人生の中心と言う姿勢が詩の中に表されている。九曲目のアルバムタイトル曲でもある「Joy」は小気味良いダンスナンバーに仕上がっていて自然に体が動いてしまう。本編最後の曲「永遠の主」は、まるで賛美礼拝をしめくくるかのようなしっとりとしたナンバー。 なお同曲は、ボーナストラックに韓国語バージョンも収められており、多くの教会で賛美されることになるだろう。

 このアルバムは、世代を超え、多くの人に愛され、これからの日本の福音宣教に用いられる事を期待させる一枚である。