中西 秀支
クリスチャン・シンガーソングライター

魂に深い励ましを与える、力強いアルバム

　シンガー「向日かおり」のデビューアルバムがついに発売された。数々の大きなクルセードの舞台などでは、青く澄んだ湖のような透明感と大河のような力強さを兼ね備える彼女の歌や表現力が注目されていた。米国ナッシュビルにて一流ミュージシャンと共に録音されたこのアルバムを聴いて、彼女の魅力はシンガーとしてだけではなく、ソングライターとしても非常にレベルが高いことに改めて気付かされた。

　バックの演奏は、マイケル・Ｗ・スミスやビリー・ジョエルなどの世界的に有名なアーティストと演奏を積み重ねてきたミュージシャンによるものなので、音楽的クオリティの高さは言うまでもない。その演奏の中に向日かおりが紡ぎだしたメロディー、歌詞がとても自然に溶け込んでいるのである。

　彼女は非常に日本語のイントネーションを大切にしており、その言葉のフレーズを決してこわさないメロディーを書いている。この歌詞にしてこのメロディー、逆にこのメロディーだからこそこの歌詞なのだ！　とはっきり分析することができる。アルバム全体を通して聞くときに、とてもスケールの大きい、まるでミュージカルを見ているような感覚になる。

　今回のレコーディングにおいてプロデューサー、ジェフ・ネルソンの存在はとても大きい。神様の栄光を何よりも第一に考えていることが、その音作りに現れている。彼のアレンジは全くの無駄がなく、音と音との間に、詩篇に登場する「セラ」を感じることができる。一瞬の沈黙の中に、神様が私たちに働きかけてくださる空間があるのだ。

　このアルバムは音楽的にも霊的にも、ある意味で最高レベルにあると思う。何よりもこれを聴いていただきたい最大の理由は、このアルバムのもたらす神様の強い臨在（PRESENCE）！　その中で私たちの心は癒され、主イエスにある平安と希望に満たされる……、魂に深い励ましを与える、力強いアルバムである。