CD Review ◆ CD評 『Shout God’s fame』
林 幸司
日本アッセンブリーズ・オブ・ゴット教団 東京メトロチャーチ 牧師
イギリスらしいアレンジで登場 ヒルソング・ロンドン
”Hillsong”というロゴの背後にユニオンジャックがはためく……。一見ミスマッチに思えるこのジャケットは、オーストラリアのヒルソングではなく、ロンドンにあるヒ ルソング教会のファーストアルバムである。このCDの曲目は、一曲を除いてヒルソングオーストラリアのものであるが、イギリスらしいアレンジメントで、新鮮な印象で楽しむことができる。
母教会となるヒルソング教会は、オーストラリア・シドニー郊外にあり、現在一万五千人のメンバーを持つ教会に成長している。ダーリーン・チェックをワーシップリーダーとするプレイズ&ワーシップアルバムが、毎年リリースされているが、毎回世界中で百万枚以上のヒットとなっている。
オーストラリアでは、一般のCDショップでも売り出され、リリースされたその週に全豪ヒットチャートの四位に躍り出るという人気ぶりである。その教会がロンドンに開拓したのが、ヒルソングロンドン教会であるが、現在二千人以上の規模となっている。
ヒルソングCDの特徴は、なんといっても一つの教会がその製作全般に関わっているということである。ワーシップチームや製作関係の人材を一つの教会がまかなうのは、並大抵のことではない。
しかし、ヒルソング教会が信じている「教会の可能性」を具体化し、社会にインパクトをもたらすためにも、このポリシーは欠かせないのだという。このCDからも、そのビジョンと目的が感じられる。
CDジャケットの中には、「あなたのための私達の祈りは……あなたがイエス・キリストを友とし、救い主とすることです」と人々にメッセージを送っている。
サウンドは、少しヘビーにはなっているが、「ヒルソングサウンドはちょっと……」と思われていた方にとっても、より親しみやすい内容ではないかと思う。ぜひ聴いてみていただきたい一枚である。