CD Review ◆ CD評 あふれる恵み、すべての人に――

『 CD アメイジング・グレイス -恵みの調べ-』
Michiru
ゴスペルアーティスト 

 「アメイジング・グレイス」はクリスチャンである、ないにかかわらず、日本で最も多くの人に知られている「賛美歌」ではないかと思います。
日本で、また世界中で長年にわたり親しまれているメロディ、油注がれているその賛美歌を、様々な実力派アーティストたちのバラエティに富んだスタイルで楽しむことができるのがこの一枚。好きなアーティストを目当てにこのCDを手にとる方も、今までゆっくり聴くチャンスのなかったほかのアーティストの歌声や、演奏を楽しむことができます。
これを聴いて心に浮かんだのは、童謡詩人・金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」(『わたしと小鳥とすずと』より)という言葉でした。神様は私たちを1人ひとり違って造られ、それぞれに違った輝きを与えてくださいました。同じ曲であっても、これほど多様に表現されるのは、神様が一人ひとりをユニークに造られたあらわれなのでしょう。当然、聴く側の私たちの好みも人の数ほど違います。ポップでお洒落な音楽、クラシックで静かな音楽、素朴で飾らない音楽などなど。このCDの中で、「私はこのアメイジング・グレイスが好き!」と思える音に出会えることでしょう。
私は映画「アメイジング・グレイス」を観た後に、このCDを聴かせていただきました。映画の主人公がいかに、この賛美歌に励まされていたのか、またこの歌詞の作者であるジョン・ニュートンがどのような思いでこの言葉を書いたのかを知った後、私はこの曲を新しい想いで聴き、共に賛美することができました。また、聞き覚えのあるこの曲だからこそ、まだクリスチャンではない知人へのプレゼントとしても最適ではないでしょうか。神様のおどろくばかりの恵みは、私たちだけのうちにとどめておくことができないほどに、あふれています! ! 一緒に映画『アメイジング・グレイス』を観た後、証しを交えつつ賛美歌の意味を説明し、そして最後にこのCDをハイ! そんな伝道コースはいかがでしょう?

<参加アーティスト> レーナ・マリア 国分友里恵 ベアンテ・ボーマン(チェロ) Migiwa シンバル 塩谷達也 西 由起子 ジョン・チャヌ(ヴァイオリン)