CD Review ◆ CD評 イエス・キリストの生涯を音楽と朗読で描く!

『 CD ジーザス・ストーリー』
三浦寿夫
日本キリスト合同教会代表 つるかわ台教会牧師

素晴らしいアルバムが誕生した。「Jesus Story」と名付けられたこのアルバムは、タイトルの示す通り、「イエス物語」。私たちが伝え聞き、その語られた物語によってキリスト・イエスと出会い、信仰をいただき、罪の赦しと復活の命を与えられた、まさにその福音を描いたアルバムだ。
一見、さまざまなアーティストによるオムニバス形式のアルバムと見えるかも知れない。しかしこれは、私たちの福音であるイエス・キリストの生涯を描いた、はっきりとしたコンセプトのもとに制作された福音のアート作品である。その意味で、画期的かつ必聴のアルバムである。
去る九月三十日に「セレブレーション・オブ・ラブ」という伝道集会が行われた。この集会で、聖書朗読と映像とそしてゴスペルアーティストたちの賛美によって構成された「Jesus Story」を体験した。「イエス物語」をそのような形で体験した会衆は、福音そのものに打たれ、主の愛を経験し、感動に包まれた。
このアルバムは、「イエス物語」に、さらに多くのアーティストを加えて、ブラッシュアップした形で提示している。映像こそないが、聖書朗読と各アーティストの賛美は、朗読の場面々を私たちの心に鮮やかに描き出す。聴く者は、イエスに出会い、その言葉に触れ、イエスの愛に打たれる。
ぜひ、しばし仕事の手を止め、雑事から離れて、一時間あまりの時を静まり、心傾けて聞いてほしい。イエスの誕生、罪の赦し、愛の行為、そして迫害。十字架の死、復活。イエスの物語が、魂に触れてくるとき、主の臨在に満たされ、穏やかだが強く、しかも確かな愛に触れる経験をする。
十名のゴスペルシンガー一人ひとりを取り上げることはできないが、音楽的にも聞き応えのあるアルバムとなっている。これだけのバラエティーに富んだアーティストのパフォーマンスそれぞれが、イエスの物語の中に美しく織り込まれていて、すばらしいタペストリーを紡ぎ出している。
またこのアルバムは、まだ信仰をもっておられない友が、福音に触れるためのきっかけとなると感じる。福音を伝える贈り物としても、多くを担うに違いない。

<参加アーティスト> 国分友里恵、森祐理、ビョン・ホギル、神山みさ、サルーキ=、向日かおり、Migiwa、Samuelle、ジェフ・ネルソン、レーナ・マリア 聖書朗読:須貝まい子<収録曲>1.イエスの誕生(聖書朗読) 2.プレゼント/Samuelle 3.山上の説教(聖書朗読) 4.楽園/サルーキ= 5.主の祈り(聖書朗読) 6.天のお父様/国分友里恵 7.サマリヤ人の女(聖書朗読) 8.It Is Love/レーナ・マリア 9.姦淫の女(聖書朗読) 10.暗闇に光/Migiwa 11.マルタとマリヤ(聖書朗読) 12.Mary Had It Right/ジェフ・ネルソン 13.放蕩息子(聖書朗読) 14.愛は距離を超えて/ビョン・ホギル 15.ザアカイ(聖書朗読) 16.僕の名を呼んでる/神山みさ 17.イエスの十字架(聖書朗読) 18.ヴィア・ドロロサ/森 祐理 19.イエスの復活(聖書朗読) 20.マリア/向日かおり