CD Review ◆ CD評 ソマトリオ『Dear God』/『I love You』
ベドウ路得子
ゴスペル・シンガー
バイオリン、チェロ、ピアノが織りなす神の壮大な調べ
ある昼下がりの午後、部屋いっぱいに曲を響かせながらこのCDを聴いていた時のことでした。私の四歳になる娘が目を真っ赤にさせて突然、抱きついてきたのです。娘は声をしゃくり上げながら言いました。「あのね、この音楽を聴いているとね、なんだか涙が出てくるの」。娘の大きな瞳からはポロポロと涙があふれては落ち、そのピンク色に染まった頬を流れていきます。それを見ていた下の娘まで目頭をこすりながら、私の足にしがみついてきました。「心の底からイエス様に向かってささげる賛美の中には、イエス様がいてくださるって聖書には書いてあるんだよ。だから今、きっとそのイエス様がカシャル(長女)とジェシカ(次女)の心に触れてくださっているんだね」「うん」。
私たち三人は台所の床にひざまずいて、音楽の流れる中、手を合わせてイエス様に祈りをささげました。「イエス様、一緒にいてくれてありがとう」。そう祈る娘の目からは、ポロリとまた一粒の涙がこぼれました。
バイオリンとチェロ、ピアノによって織りなされた美しくしかも力強い響きのなかに、イエス様の深いご愛と恵みを感じます。馴染み深い讃美歌やワーシップが中心で、どの曲も魂の奥底にまで届き、思わずひざまずき、祈りへと押し出されます。
創世記二十八章がまさに目の前に広がります。天の門が開かれ、頂が天に届くほどの梯子が地に向けて立てられ、御使いたちがその梯子を上り下りしているのです。そして私のすぐ傍らに立っておられるイエス様のお姿があり、そして主の慈愛と慰めに満ちたお声が聞こえてきます。「私は決してあなたを捨てない」と。
まさに賛美の中に住んでくださるイエス様、「いやし主」であり「慰め主」であるお方のもとへと引き寄せてくれる音楽です。今日も幼稚園から帰ってきた娘が言いました。「ママ、あのイエス様のいる音楽ききたいなあ」と。年齢にかかわらず、聴く一人ひとりの心の深みにイエス様のご愛が注がれることでしょう。