CD Review ◆ CD評 ドライブにぴったりなジャズ・クリスマスアルバム!
トム兼松(兼松努)
ギタリスト(ゴスペル、ジャズ、ファンク)同盟福音可児キリスト教会員
職業柄、車移動の多いボクの、そしてきっとあなたのドライブにもぴったりなクリスマスアルバムが発売された。それは一般音楽業界の第一線でクリスチャンアーティストとして長きに及んで活躍しているサックスプレイヤー、スティーブ・サックスの満を持してのアルバムである。
一曲目からすぐにスティーブの世界――ジャズにアレンジされた、しかし耳慣れたメロディー――に入っていくことができる。リバーブ(カラオケで言うエコー)が控えめな効果でよりソプラノサックスが前に出ていて、まるでスティーブが隣で吹いてくれているかのよう。
そう、サックスの音をいろいろ電気的に加工せず「スティーブのそのままの音」もっと言えば「隠す必要のない自分」を聴かせてくれている。これは実は彼が一流ミュージシャンだからこそ成せる技である。また彼自身の信仰の姿勢を見る気がする。シンプルなメロディーが、きれいに響かせる複雑な和音や変調などのアレンジでより深い賛美となっている。生ピアノ、アップライトベース、ドラム、時としてギターも加わる。さらに日本の第一線で活躍中のミュージシャンたちの個性、才能が曲を盛り上げ、ジャズ、ラテン、ファンク、スパニッシュ風とクリスマスソングを楽しませてくれる。
高学歴、幾多の実績を持ちながら、謙遜で優しいスティーブである。また、お茶目で日本語も堪能で「おやじギャグ」をステージで話したりもする。スティーブはいつも奥様と連絡を取り合っていて、演奏前後にも、まるで新婚さんのように「ハイ、ハニー」と話している光景を見かける。ほほえましい限りである。彼自身が述べているように、高学歴、富や名声を追い、離婚を経験し失意の中にいたスティーブを主が変えられた。主は主ご自身のためにスティーブを今用いておられることに感謝。ハレルヤ!
ボクの母親はお風呂で賛美歌を歌っていたものだが、日常生活に普通に賛美が馴染んでいれば素晴らしい。さっそくボクもギターとこの賛美のCDを持って中央道を走ることにした。