CD Review ◆ CD評 ポップサウンドがクリスマスの歓びを豊かに表現!
大倉寧
奥多摩バイブルシャレー プログラムディレクター
<収録曲>1. J. ラッター/クリスマス・ララバイ 2. G.シェイン/Do You Hear What I Hear? 3. スコットランド民謡/The Water Is Wide 4. J.レノン/War Is Over (Happy Christmas) 5. 讃美歌メドレー まきびとひつじを~あらのの果てに~久しく待ちにし~もみの木~ひいらぎ飾ろう~神の御子は今宵しも~あめにはさかえ~さやかに星はきらめき~ああベツレヘムよ~もろびとこぞりて~きよしこの夜 6. W.シュナイダー/パン(フルート・ソロ)
毎年、クリスマスシーズンを迎えるのに楽しいことの一つに各地の教会でクリスマスコンサートが行われることがあります。フルーティストの紫園香さんもこのシーズン各地で楽しませてくれるアーティストのひとりですが、今年はクリスマス・アルバムをリリースしてくださいました。
以前、私の働く奥多摩バイブルシャレーの礼拝堂が火災に見舞れたことがありました。直後に行われるクリスマスコンサートの会場が消失したのです。その悲しみの中で開催を諦めかけましたが、「希望を伝える目的で行うコンサートを中止すべきでは無い!」という判断をしたときに、お招きしていたのが紫園香さんでした。旧チャペルへと会場を変えたコンサートでその美しい音楽に来場者の皆さんと共にスタッフも慰めと希望が与えられたのでした。
紫園さんというと、やはりクラッシック奏者としてこれまでも高く評価されてきましたが、今回はなんとポップな選曲とアレンジになっていることにとても興味を惹かれます。
なんとジョン・レノンの名曲「War Is Over (Happy Christmas)」をカヴァーされています。世界的に多くの人に馴染みのあるこの曲ですが、現在この曲を取り上げるのには戦闘の絶えない世界に対しての平和の祈りが込められていることを感じます。もちろん私たちクリスチャンはジョン・レノンの思想とは異なるのですが、クリスマスは「平和の君」の誕生ということですので、真実の平和をもたらすのは救い主であるということを確信し、この時代にあっても願い祈るものです。
後半には、クリスマス讃美歌のメドレーが収録され「これぞクリスマス!」という内容です。おなじみの讃美歌の数々ですが、リズミカルでワクワク感にあふれたアレンジになっています。
今年のクリスマスBGMとして、教会や家庭で繰り返し流し続けたいアルバムに仕上がっています。