CD Review ◆ CD評 神山みさ十年の歩み――
その「熱さ」がつまったベスト版!
岩渕 まこと
シンガーソングライター
神山みささんのニューアルバム「Misa痴 Song Book 2000-2010」が手元に届きました。早速聴いてみましたが、このCDにはみささんの十年間の歩みがしっかりと切り取られています。ある意味、みささんのカタログと言ってもいいでしょう。
彼女と出会ったのは二〇〇八年、星野富弘さんとの二枚目のCD「日日草のうた」のコーラスに参加してもらったときでした。それから私は、みささんの歌を聴く機会が増えてきて今に至っています。
昨年は「God Bless You」のCDで歌ってもらったこともあり、何度か一緒のステージに立つ機会がありました。秋には韓国でも一緒でしたが、仁川でのコンサートは圧巻でした。韓国語で歌うということもあり、相当緊張していたようでしたが、崖っぷちから坂を駆け上がっていくような素晴らしいステージでした。
今回のCDは、シンガーソングライター「神山みさ」のファンにとっても、初めて「神山みさ」という名前を目にした方にとっても手にしたくなる一枚だと思います。
収録曲はなんと十七曲、八十二分という収録限界ギリギリいっぱい。そんなところにも、一枚のCDに収録しきれない彼女の十年間の「熱さ」を感じさせられます。
十七曲のうち三曲はこのアルバムのために作られた新作です。ほかは十年間にリリースしたアルバムからのセルフチョイス。リマスタリングされた以前の曲たちは、もう一度舞台をもらったように生き生きと聴こえてきます。それぞれの時代の多彩な楽曲を一枚の作品としてまとめるために、隠れた作業が重ねられたことがわかります。
「武道館でワンマンライブをするのが夢」と言ってはばからない彼女の周りには、多くの支援者がいます。
音楽へのこだわりはもちろん、生き方へのこだわりの方を大切にしているような感じを受ける、ちょっと面白い「神山みさ」という生き方に共感させられて元気をもらう人が多いのでしょう。あなたもぜひ一度耳を傾けてみませんか。
(収録曲)
1.レース 2.手 3.カタチのないもの 4.ただ前に、進め。 5.Celebrate 6.雪晴れの朝 7.その涙が渇くとき 8.夢のはじまり 9.一日一生 10.きれい 11.バースデー 12.空を見上げながらあなたを想った 13.空の上 14.ケンカは嫌い 15.冬の空 16.また会う日まで 17.たんぽぽ