DVD 試写室◆ DVD評 グループディスカッションの教材に最適
DVD「ヨハネの福音書」

『ヨハネの福音書』
大橋由享
友愛グループ イエス・キリスト ファミリー教会牧師

グループディスカッションの教材に最適

 少人数によるディスカッション形式の学びというのは、とてもよいものだ。ひとりで聖書を読み、一人で探っていくよりも、確実に広がりがある。新しい発見がある。
事実、そのような学びの中で、私は時々、目から鱗が落ちる思いを経験する。注解書には載っていないような気づきを、メンバーの何気ない発言から得ることができるからだ。
また、グループによる学びには、皆で協力して聖書を掘り下げていく一体感がある。ディスカッションの末に、重要な真理を掘り出した時の喜びといったら! それは、メンバーの宝となる。
このように、聖書について、神について、信仰について語り合うのは、本当に楽しいことだ。そして、私たち以上に、私たちの真ん中に臨在している聖霊なる神は、このような交わりと学びを喜んでおられるに違いない。
私は、今回発売されたこのDVD『ヨハネの福音書』は、このような学びに合った作品なのではないかと思う。
もちろん、注意すべき点もある。この作品は、台詞もナレーションもすべて聖書そのまま。ヨハネの福音書を愚直なまでに忠実に映像化したものではあるが、それでも、作り手の解釈や主観が入っていることは確かだ。ここに描かれているのは真のイエスではない。一つの解釈に過ぎないのである。
しかし、リーダーがこのことを十分に理解してディスカッションを導くなら、この作品は、非常に有益であると思う。場面ごとにDVDを観て(本作品は33のchapterに分かれている)、それをもとに、自由に話し合うという形式は、聖書になじみの薄い方には、特に効果的だろう。また、信仰歴の長いクリスチャンにとっても、何度も読んでいたヨハネの福音書が、三次元的にグッと立ち上がってくるに違いない。もちろん、グループによる学びに限らない。このDVDには、ディボーションガイドと、入川達夫牧師による聖書研究テキスト『イエスに出会った人々』を収録した小冊子が付いている。これらをもとに、個人で学び、理解を深めることもできるだろう。
個人鑑賞用として、また、学びの教材として、この作品はお薦めである。