NEWS VIEWS FACES 「パッション」日本上映 宣教の可能性
ドン・リギアー
TEAM宣教師
私がこれを初めて観たのは2003年の7月にフロリダのオーランドで開催されたCBA夕食会・ビデオクリップでのことだ。メル・ギブソンはその場で、「イエスの傷は私たちの傷を癒した」との言葉通り、どん底の状態から解放された自らの体験を通し、世の大勢の人々が、真の癒し主であるイエス・キリストに出会うことができるように、との願いがきっかけとなって映画製作をしたと語った。その後、完成したばかりの映画を周りの人々に観せたところ、特に無神論者や教会から離れてしまっている人々が、イエスの苦しみ、受難に対して大きな衝撃を受け、福音に立ち返る姿を何度も目にしたそうだ。私はこのことを聞いたとき、「神がメル・ギブソンの中に働いている」ことを確信した。すでにアメリカでは何千人もの人々が、この映画に誘ってくれたクリスチャン達や教会のフォローアップミーティングなどを通して救いに導かれているという。
私は映画を観て、言葉では言い表せないほどの苦しみを受けたあのキリストの愛に感銘を受けた。血が流れる悲惨な場面でさえ目をそむけることはなく、むしろ「私を愛し、私のためにご自身をお捨てになった」(ガラテヤ2:20)の聖書箇所をリアルに思い起こさせてくれた。イエスの手に向けて釘を握っているその手は、実はメル・ギブソン自身の手であると、あるニュースで伝えていた。それは「私がイエス・キリストを十字架につけた、彼は私の罪のために死んだ」ということを現しているのではないか。そして、本当にイエスは私たちのすべての罪のために死に、その痛みは想像を絶することを映画全体で物語っている。メル・ギブソンはあるインタビューの中で「この映画は『観る』のではなく、2000年前にあなたが実際にそこにいたら…という『体験』をしてほしい」と語っている。
この度、日本の150館以上の映画館でこの映画が上映され始めたが、私は24年間このミニストリーで働いていて、今までにこんなにも主の十字架について多くの人々に福音を宣べ伝える方法、チャンスはなかったと思う。もしこれを未信者が観たなら、すでにイエスの十字架について興味を持つことになるため、私たちは福音に興味を持ってもらうために努力する必要はなく、ただ「あの映画のこと聴いた?映画はもう観た?」と言って話せばよい。最も効果的な福音伝道は、いつも個人的に福音を伝えようという熱意だ。そして私達はまだ信じていない人々と一緒に映画館に観に行き、その後映画の内容について話し合うことが大切だ。この映画の紹介やフォローのための適切なトラクトもEHCや新生宣教団(NEW LIFE LEAGUE)などで用意されている。
神様は日本に素晴らしい宣教のチャンスを与えてくれたのだから、ぜひ皆さんと共に未信者や教会を離れてしまっている大勢の人々への伝道のために、このチャンスを積極的に生かしていきたい。彼らがキリストに立ち返ること、そして教会に戻ってくるようにとの祈りをもって。「御子イエスの血はすべての罪から私たちをきよめます」。(1ヨハネ1:7)