NEWS VIEWS FACES アンチキリスト教の映画
「ダ・ヴィンチ・コード」を利用せよ

「ダ・ヴィンチ・コード ザ・トゥルース」
礒川道夫
チーフプロデューサー

 この原稿を書いている3月は、大きな駅には「ナルニア国物語」のポスターで溢れている。

 一人でも多くの皆様に観ていただきたいので、大歓迎なのだが、その傍らに『「ダ・ヴィンチ・コード」5.20全世界同時公開 映画原作待望の文庫化』の宣伝されているのはご存知だろうか。

 「ダ・ヴィンチ・コード」は、日本でも400万部も読まれているサスペンスストーリーである。

 ダ・ヴィンチの名画に描かれた暗号につぐ暗号、その謎を追いかける話で、殺人事件があり、本当に読み始めると止まらない作品である。世界中で読まれているわけは、読んでいただければわかるだろう。

 では何が問題なのか。ここには「聖杯伝説」が描かれている。しかもマクダラのマリヤとイエス・キリストの結婚、そしてその子孫が、聖杯とする考え方がある。

 キリスト者はそんなことは誰が信じるのかと思うかもしれないが、この「聖杯伝説」を信じてきた人々がいたことも事実のようである。

 「コンスタンティヌスが~異教の象徴や暦や儀式を、キリスト教の発展途上の伝説と融合させ、双方が受け入れやすい、いわば混血の宗教を創り出した」「キリスト教の今日の姿は、そういった作為の結果なのだよ」「コンスタンティヌスは資金を提供して新たな聖書を編集するように命じ、イエスの人間らしい側面を描いた福音書を削除させ、神として記した福音書を潤色させた」「イエス・キリストという男こそ神であると言い広めて、その影響力を権力基盤の安定のために利用した」

 こういったやり取りが、このストーリーのあちらこちらに散らばっている。そしてこの「ダ・ヴィンチ・コード」は、「すべて事実に基づいている」とわざわざ冒頭に書いて強調している。

 影響はないだろうか。たかが小説と笑っていられるだろうか。「事実」と書かれたのなら、反論する義務が教会側にはあるのでないか。実際この話を読んだ青年が、キリスト教に疑問を持って、教会から離れたそうである。

 世界同時公開、トム・ハンクスが主演。多分大ヒットは間違いないだろう。多くの、特に若者がこの考え方に知らず知らずのうちに影響を受けてしまう。

 「上映反対運動」もひとつだが、逆にこれを利用して伝道できないだろうか。この話題を利用できないか。いつも不思議なのだが、神は必ず道具を用意される。一つは反論するDVDが発売される。「ダ・ヴィンチ・コード ザ・トゥルース」もう一つは『ダ・ヴィンチ・コード その真実性を問う』という本である。これらを利用して、反論する武具を身に着けてほしい。