NEWS VIEWS FACES 星野富弘の詩が皆で歌えるようになった!
岩渕まこととのやさしさコラボーレーション
礒川道夫
ライフ・エンターテイメント チーフプロデューサー
旧東村、約20年前に、「奥日本ふるさと伝道」名で、現地教会と協力して映画「塩狩峠」を上映した。星野さんご夫妻も来てくださった。まだ美術館もなく、草木湖が静かに水を満たしていた。「愛 深き淵より」に出て来る星野さんが初めて出会った墓地の十字架も見た。その当時そんな話を、友人にするとみんながうらやましがっていたのを思い出す。
「愛 深き淵より」の本で、一番印象的なのは、食べたくない食事の時に母親の手元がふるえてスプーンの汁が富弘さんの顔にかかってしまい、思わずお母さんにひどい言葉を言ってしまう場面である。このシーンと後々出てくるぺんぺん草のあの「お母さんの肩をたたかせてもらおう」の詩が、妙に今は亡き自分の母親に対してしてきたことと、「もう一度肩をたたきたい」いう複雑な思いがダブって共感してしまう。
もう一度上記のシーンを読んでみたら、今度9月20日発売の「ぺんぺん草のうた」の岩渕まことさんの歌が、ドラマのバックミュージックのように心に聴こえてきた。
特にリフレインの「風に揺れるぺんぺん草を見ていたら~」がすぐに覚えられ、感動する。
何人かの人に聴いていただいたが、皆同じ感想を述べていた。
数ヶ月前、星野さんの詩をみんなで歌いたいという今回の趣旨を理解して作曲してくれる人を探し祈っていた。「父の涙」という歌をご存知だろうか。岩渕まことさんが作ったこの歌は、クリスチャンミュージックの名曲の一つだと思う。あの映画「パッション」の十字架のところで大粒の雨が降るが、あのシーンには、この歌が合う。
日本人の感性を捉える歌を作る岩渕さんに星野さんの詩に曲を付けてもらおうとお話すると心良く引き受けて下さった。しかも良く聴いてみると、新春に、ある会社で歌った岩渕さんの「横丁のジーザス」という歌を星野さんが非常に気に入って下さったとのこと、不思議な神の導きを感じた。
全部で14曲。「がくあじさい」の歌は、ドラマの主題歌のよう。女性を泣かせる。また「花よりも小さく」の「後ろ向き・ネムノキ」は、某歌手に歌わせたら、ブルースっぽくなってカラオケで、流行るのではないか。「速さのちがう時計」の「落葉」は、曲がついたので、こんな詩があったのだと再発見したりと、本当に星野富弘さんの詩が歌えるようになった。ぜひ一緒に歌っていただきたい。