NEWS VIEWS FACES 森祐理タイ・チャリティコンサートツアーレポート
礒川道夫
ライフ・エンターテイメント チーフ・プロデューサー
「タイに行くとタイにはまる人がいる」というが、1年前、他の用事でタイを訪問した時に、ここで森 祐理さんのコンサートが出来たらとなぜか思って帰って来た。CD「Touching The Hearts」のジャケット撮影の打ち合わせで、祐理さんに話すと、一度もタイに行ったことがないので、ぜひコンサートをしてみたいと盛り上がった。こんな単純な動機で祈り始めたタイのコンサートが、1年後にこんな奇跡が起こるとは思わなかった。
NPO「アメニティ2000」の企画で、タイチェンマイYMCAとの協力で進めている北タイの小学校支援のプロジェクトに、彼女がボランティアでタイに行くことになったと、昨年秋に電話があった。これは主が働いて下さったと思い、OMFの宣教師でチェンマイ日本人伝道に出発する間際の野尻牧師に連絡、またある方のご紹介で、バンコク日本語教会の方に連絡を取って、祈っていただくことにした。
とにかく20名でも集まれば、せっかく行くのだからと軽い気持ちでいたら、あのスマトラ沖地震が起き、津波でたくさんの方々が、タイでも亡くなった。
先日、日本テレビ系で放映された「阪神淡路大震災10周年」でも取り上げられていたように森 祐理さんは、弟さんを大震災で亡くしている。したがって彼女の語る励ましは、本当に慰めを必要とする方々の心に届く。台湾大地震の時も、新潟中越地震の時もそうであった。
派手なお祭りが自粛ムードの中、「北タイ文化交流祭」が、森 祐理さんがチェンマイにいる2月13日にあり、野尻牧師を通し主催者の皆さんのご好意で、彼女がイベントのトリを取ることになった。動員の半数がタイの皆さんで、前日のチェンマイワイズメンズクラブのコンサートと同様に、タイの方々が、祐理さんの証しに涙されていた。
彼女の賜物のひとつに、現地の方々に受け入れられるように韓国でも、台湾でもそうであったが、現地語で歌うことにある。国王が作られた「Falling Rain」、またタイの北部の貧しい村の小学校でも歌ったタイ版の「ゾウさん」も子供たちには大受けだった。
バンコクの方でも、チャリティコンサートをすることになり、タイ人の500名も入る「ワッタナー教会」が会場費を無料にするどころか、共同主催になってくれた。バンコク日本語キリスト教会の皆さんが、フリーぺーパーや、チラシで宣伝してくれたおかげで、当日16日の夜、満席になり、主の平安に満たされたコンサートとなった。
その日の朝訪問した、スラム支援や津波支援をしている「シーカーアジア財団」の南タイから帰ったばかりの担当者が言った。「物質ばかりではなく、心の支援が必要です」
いつかきっと森 祐理さんは、南タイや、お隣りのマレーシア、シンガポール、インドネシアにも行って、主にある愛と慰めを歌うと思う。