NEWS VIEWS FACES 森 祐理 法務大臣顕彰受賞と15周年記念
NEWアルバム「心のふるさとVol.II 優しさのとびら」の今日的意義

森 祐理さん
礒川道夫
ライフ・エンターテイメント チーフプロデューサー

 福音歌手 森祐理 15周年記念のイベントが、6月に恵みシャレーで行われた。彼女をサポートするメロディ会を中心に、人々が集まり、予約を断らなくてはいけないほどの盛況。15年前に、福音歌手として生きていくことを決意した森祐理が、いかに一歩ずつ信用を築いてきたかがわかるすばらしい集会だった。

 「元NHKの歌のお姉さん」を売り込みにスタートした彼女だったが、童謡と賛美歌のかかわりを歌にしたCD「心のふるさと」で、初めて日本人の立場に立ったクリスチャンミュージックの世界を作ったといえる。その反響は、地球の反対側にまでおよび、1999年にはブラジルにも招かれ、のべ4,000人の方々に「本当のふるさとは天にあること」を伝えた。

 「ぞうさん」と「このままの姿」は、どの会場で歌っても、自己の存在の肯定をしてくれる歌として子供から大人まで大反響を呼ぶ。

 そして森祐理は日本の福音歌手としてではなく、台湾、韓国、タイ、ヨーロッパ、アメリカと奉仕の場が広がっていった。

 年間100回以上コンサートをこなす森祐理。しかしその中には刑務所等の矯正施設への慰問活動がある。たくさんの受刑者が彼女の歌を通して更生していった。彼女のところには、何通もの感謝の手紙が来ている。そのことが評価され「法務大臣顕彰」を7月25日に受賞した。森祐理のように年若くしてもらうのは、異例中の異例だそうだ。

 なんといっても読売新聞入社直前の弟さんを1995年の阪神淡路大震災で亡くしたことは森祐理の人生、音楽を変えたといえる。それまでは「救われた喜び」が中心の音楽だったが、阪神淡路大震災以後は、「人の痛みを共有する」歌手に変わった気がする。

 「自分が痛みを知って、初めて他人の痛みがわかった。大きな心の穴から、人の痛み、やさしさが入ってくるようになった」とステージで語る彼女。

 今回のNEWアルバム「心のふるさと Vol.Ⅱ 優しさの扉」にもその気持ちが表れている。初めて彼女のオリジナルの歌詞にあの「ただ泣きたくなるの」でミリオンヒットを飛ばした岩本正樹が曲を書いた「優しさのとびら」という曲がある。

 『この傷あとから、さしこむ光が見えてきた。生かされたこの時を涙も痛みも本当の愛に気づくとびらだから、歩き始めよう』この折り返しの歌詞は、多くの人々の心に共鳴し、彼女の新しいスタンダードになるだろう。

 一般に烏のイメージはあまり良くないが、「七つの子」だけが「可愛い可愛い」と野口雨情は歌わせている。森祐理は、「神は烏も創造された。だから烏だって大事な存在だ。同じように誰一人無駄な存在はない。」とこの「七つの子」を歌う。さらに岩本正樹のピアノアレンジが、なんともいえなく心に響く。この他七里ガ浜で亡くなったボート部員を歌った「七里ヶ浜の哀歌」等全12曲。10月20日発売予定。また2008年8月にはブラジルに再び行く。そのための献金を募っている。ご協力いただきたい。