NEWS VIEWS FACES 第36回 GOSPEL MUSIC ASSOCIATION WEEK報告

礒川道夫
ライフ・エンターテイメント チーフ・プロデューサー

クリスチャンロックが最近の人気

 アメリカ・ナッシュビルで毎年行われるGMAの春の祭典に行って来た。今回は、ジャパン・ミッション・ミュージック・スクール(JMMS)の創立4周年記念、いのちのことば社55周年記念ということで、JMMSの学生や卒業生、いのちのことば社関係者、一般参加者、総勢22名が参加した。

 飛行機がナッシュビルに着くとその足で「スティーブン・カーティス・チャップマン」の野外ライブコンサート会場へ。そこには1万人の会衆が集まっていた。彼のアメリカクリスチャンミュージック界の信頼度は抜群で、その音楽性、人格、そしてイエス・キリストから受ける愛のクールな音楽の表現は、若者から中高年まで幅広い支持がある。見渡すと、ティーンエイジャーを連れたファミリーがたくさんいた。ティーンエイジャーが、この世の音楽に囚われる前に、クリスチャンミュージックに興味を持ってもらおうとの意味か。

 日本にはこんな光景、チャンスはない。13時間の飛行機の疲れや、時差ぼけはふっとんだ。

 翌日は、「Born Again Church」の礼拝に出席。この時は、数々の賞を取っているこの教会の「クワイア」が日本の愛知万博に行く直前。講壇の後ろの壁に日本地図があって、会衆全員が日本のために祈ってくれていた。彼らの体からにじみ出てくるブラックゴスペルのパワーに圧倒された。

 そして、夜は「マイケル・W・スミス」「ダーリン・チェック」らがワーシップリーダーになって、サンデー・イヴニング・ワーシップが行われた。バックのコーラスのメンバーがすごい。「ブライアン・ダンカン」や「ジョイ・ウィリアムズ」「アウト・オブ・エデン」ら、それぞれにCDを発売しているメジャーなCCMトップアーティスト50名近くが、バックコーラスに参加しているのだから驚いた。普段、どうもPraise&Worshipのジャンルは苦手という人も、この集会でのイエス・キリストの臨在感は否定出来ないだろう。

 このたった二日での濃すぎる内容に、参加者一同「これは本当にお得なツアーだ!」

 連日、朝から晩まで、クリスチャンミュージックが生で観られるだからたまらない。「ジャーズ・オブ・クレイ」の甘い日本人受けするサウンドや、あのフィンガー・ピッキングの名手と言われ、アルバムも40枚以上も発売し、アメリカツアーもチケットが完売という「フィル・ケギー」のギターや、2月にマーカス・ミラーと来日してブルーノートで演奏した「カーク・ウェイラム」らも、クリスチャンアーティストとして演奏してくれるのだからGMAはすごい。

 GMAの会長「ジョン・スティル」によると、最近の傾向は、クリスチャンロックの人気が出て若者がCDを購入するという。しかもその内の60%は一般のCDショップだそうだ。「スーパーチックK」らのロックコンサートに参加したが、まったく日本のセキュラーで行われるコンサートと同じ熱狂さはあるが、マリファナも、お酒もタバコもなかった。

 ドーブ賞を受賞した「キャスティング・クラウンズ」や「スウィッチフット」もこれまで日本ではあまり紹介してこなかったが、今後はどんどん力を入れていきたい。ご期待いただきたい。