NEWS VIEWS FACES 軽井沢・花の詩画展 
オープニングコンサート・レポート星野富弘、岩渕まこと with 由美子

礒川道夫
ライフ・エンターテイメント チーフプロデューサー

 2008年7月24日(木)、軽井沢大賀ホールにて、翌日から開催される「軽井沢花の詩画展」のためのオープニングコンサートが持たれた。

 大賀ホールでの星野富弘コンサートは、2005年にCD「二番目に言いたいこと」をリリースした西由起子さん、なかにしあかねさん、他の皆さんのクラシックコンサートが行われ、オープンしたばかりの軽井沢大賀ホールも満席。この時も第2部に星野富弘さんのトークショーがあり、観衆も関係者も、満足な表情で帰っていった。

 今回は、昨年発売したCD「ぺんぺん草のうた」の作曲と歌も歌っている岩渕まことさんと、由美子さんのコンサート。皆で歌えることをコンセプトに制作された作品なのと、星野富弘さんの詩のイメージにぴったりとはまったメロディ、土のにおいのするこの絶妙なマッチングが良いのか、CDが売りにくいこの時代に、たくさんの皆様にご利用いただいた。

 そしてこの日、その第2弾の「日日草のうた」が発売となった。

 星野富弘さんのお話の中で、この「日日草のうた」の中に入っている「春の縁側」という曲についての詩の制作秘話が印象的だ。

 詩は、直接読んでいただきたいが、この詩の中に「おばさんも笑って入れ歯が落ちた」というフレーズがある。この詩のイメージからすると、ちょっとユーモラスなのだが、岩渕さんは、マイナーの曲に、しんみりとしたアレンジの曲にしたので、これが心にしみる。

 星野さんによると、初めは「父の1周忌が終わって」ということばを入れるはずだったが、あまりにも涙っぽくなるので取ったそうだ。「すぐれた芸術家には動物的なカンが働く」そうで、岩渕さんは、その「動物的なカン」か「神様の導き」で、この詩に味わい深いメロディを付けてくれた。

  私は個人的には「はなしょうぶ」が気に入っている。「黒い土に 根を張り」で始まるあの有名な詩である。岩渕さんの曲と西原悟さんのアレンジが、この詩の後半の星野富弘さんの問いかけにアーメンとうなずかせてくれる。

 主題曲の「日日草」「秋のあじさい」もグッと来る。また「生きているから」は、美術館音頭になりそうな曲である。 次の日からの詩画展で、詩画を見ると、歌を心の中で口ずさんでしまったのは私だけではないだろう。

 なおコンサートの中で、第11回ゴスペルCCM大賞を受賞された、作詞、作曲に関わった両ご夫妻への授賞式も行われた。