NEWS VIEWS FACES 2006年3月「ナルニア国物語」全国上映
礒川道夫
チーフプロデューサー
私たちはこの映画で何を伝えるのか
2004年は「パッション」、2005年は「マザー・テレサ」と2年連続して、映画上映のお手伝いをさせていただいた。「パッション」は100万人を突破、「マザー・テレサ」は単館上映としては大成功で、映画館シャンテシネでは8月から12月まで上映された。それだけ多くの皆さんに「主の愛」を伝えることが出来たと思う。さて2006年は神様から何をさせていただけるのかと思っていたら「ナルニア国物語」の上映協力ができそうだ。
「ナルニア国物語」は、20世紀を代表する英国作家C・S・ルイスの著作で、全7巻からなるファンタジー・シリーズである。今回公開される第1章「ライオンと魔女」は、第二次世界大戦下のイギリスが舞台。戦火を逃れて田舎に住むカーク教授に預けられる4人の子供たちが主人公。末のルーシーが衣装箪笥に入り込むと、そこは雪に覆われた冷たい世界。
かつては偉大な王「アスラン」が作ったすばらしい国。しかし今は美しく冷酷な「白い魔女」によって寒い冬の世界になっていた。
C・S・ルイスは「悪魔の手紙」「キリスト教の精髄」などの著作があることからわかるように「クリスチャン作家」である。ならばこの「ナルニア国物語」にも聖書のメッセージが隠されていると考えるのは当然である。聖書を読んだことがある人ならばこの「アスラン」が誰を表しているかはすでにお気づきだろう。ストーリーに出てくる「石舞台」は「ゴルゴダの丘」のことかと聖書の世界に置き換えて観るのも興味深く、イエスの愛を伝える役割を十分果たしている作品である。
同時期に書かれた「指輪物語」の著者J・R・R・トールキンとは友人だったようである。「指輪物語」は映画「ロード・オブ・ザ・リング」として大ヒットになった。J・R・R・トールキンは、この作品を「基本的には宗教的でカトリック的作品」であると記述していたそうである。(“The Letters of J.R.R.Tolkien”)私は映画「ロード・オブ・ザ・リング」で人間の原罪の問題を感じたが、残念ながらキリスト教界がこの映画の成功を利用した形跡はなかった。
今度の「ナルニア国物語」はディズニーが贈るファンタジー・大型プロジェクトである。テレビや雑誌でもこれから多くの宣伝がなされる。映画「ロード・オブ・ザ・リング」に迫るか、それを超える動員があるだろう。
「導く人がなければ、どうしてわかりましょう」(使徒の働き8:31)この映画の意味を伝える使命が私たちにはある。この3月、神が与えてくれたチャンスをどう生かすのか。教会学校の子供たちを、ぜひ映画館に連れて行ってほしい。