What’s New 「名曲で描く聖書の世界」 CD全3巻発売記念コンサート
-静寂の中で神と出会う-

礒川道夫
ライフ・クリエイション ディレクター

「名曲で描く聖書の世界」 CD全3巻発売記念コンサート -静寂の中で神と出会う-

 徳島県鳴門市にある大塚国際美術館をご存知だろうか。陶板で名画を1,000余点集めた美術館だ。好評発売中の『巨匠が描いた聖書』の大部分の絵が、実物大で体験出来る。先日、この本の編著者の町田俊之先生の美術鑑賞ツアーに参加した。 正直言って美術音痴の私には、原画ではない複製ばかりの美術館に二日間も缶詰になるとは、まったく理解の出来ないことだったが、参加してみて考え方が180度変わった。信仰というメガネをかけ、町田先生の解説を聴いていると、3Dメガネをかけて、3Dテレビを初めて観たとき以上の驚きと発見がある。 まずはミケランジェロが描いた天井画と壁画のあるシスティーナ礼拝堂に1歩入ることになる。そのスケールに驚くと同時に何ともいえない静寂さを体験するのだ。そして、町田先生の信仰的な解説が始まると、私の目は、天井に描かれた「アダムの創造」のところにズームアップしたようだった。

 スクリーンに「アダムの創造」が映し出されていたのは、今回初めての試みとして行われた『名曲で描く聖書の世界』 CD全3巻発売記念コンサートだ。陶板名画とスクリーンの絵の違いはあるが、受ける感動は同じなのだから、信仰というメガネにはすごい力がある。
 もともと絵が描かれた目的の一つは、字が読めない人が多かったので、絵画で聖書の世界を伝えようとしたのだという。それがいつの間にか、美術作品としての価値だけが注目されて、本来の聖書を伝える意味とは分離してしまった。

 今回の試みは、それを元の目的に戻そうとすること、そして、その絵画にあった音楽を聴いて、神の前に静まることにある。
『巨匠が描いた聖書』に合った音楽を選曲するために1,000以上の曲を聴いたというディレクターの土井康司氏の曲の解説も大いに役立っていた。
 苅谷和子さん(オルガン)、蜷川いづみさん(ヴァイオリン)、加藤由紀子さん(ヴァイオリン)、佐藤雅子さん(ヴィオラ)、井上とも子さん(チェロ)、菅野万利子さん(ピアノ)たちの演奏を生で聴くと、さらに絵画と自分の思いが一体化してくる。
 ゆったりとした椅子に座り、美味しいコーヒーでも飲みながら、このCDの音楽を聴いて、『巨匠が描いた聖書』を開く。美術館やコンサート会場で体験した、ちょっと贅沢なひとときを、ご自宅でも味わってみませんか。その静寂の中に、神の臨在を感じることでしょう。

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