What’s New キリスト教的新発見DVD「目からうろこ」シリーズがスタート
第1弾「永遠のふるさと~唱歌・童謡から賛美歌へ~」制作秘話
礒川道夫
ライフ・クリエイション ディレクター
「目からうろこ」-案外この言葉が、聖書のパウロの回心から来ていることを知らない人が多い。同じように、キリスト教に関わることで意外と知られていないことが結構あるようだ。そこで、そんなテーマを取り扱ったDVDシリーズを作ることにした。
第一弾は「永遠のふるさと~唱歌・童謡から賛美歌へ~」。福音歌手の森 祐理さんと10年前にこのテーマを知って、それこそ目からうろこだった。そして「心のふるさと ─童謡から賛美歌へ─」というCDを制作したのだが、このCDが非常に用いられた。日本だけではなく、ブラジル、タイ、台湾でも、このコンサートを行なって来たのだから世界的な広がりである。
最近、森 祐理さんに、このテーマでの講演依頼が多い。そこで、もう一度このテーマを深く取り上げることにした。
番組を作るには、台本、撮影クルー等が必要なのだが、神の備えにはいつも驚かされる。
今まで一般の会社を通して、洋画の翻訳台本をお願いしていた鹽野佐和子氏が、キリスト者で脚本家であると知って、お願いすることが出来た。とにかく良く調査し、監修者の手代木俊一氏(明治学院歴史資料館調査員)と熱の入った議論をし、脚本を完成してくれた。
撮影・編集は、NHKの番組等を作っている制作会社に発注したのだが、このクルーもこのテーマに深い関心を持ち、力を入れてくれた。
メインの撮影をした本郷中央教会に行ってみると、会堂に撮影用のクレーンが来ていた。実は予算には入っていなかったのだが、そのおかげで森 祐理さんの歌うシーンは、滑らかなカメラワークで撮ることが出来た。また野外のシーンでは、真夏なのに、とんぼが祐理さんの周りを飛んでいた。神の演出は本当に素晴らしい。
「故郷」この曲を作った岡野貞一の甥である渡辺陽氏や、当時礼拝でともに奏楽していた中野済子さんのインタビュー、大中寅二夫人の寅二に関する貴重な証言をいただけたことも非常に価値あることだ。また本郷中央教会の宮崎康久氏は、未発表の岡野貞一作曲の「中央会堂五十周年祝歌」を紹介してくれた。
第一章は、「お雇い外国人と唱歌誕生の謎」。宣教師が作る賛美歌集と共通な部分がある小学唱歌集の謎に迫る。第二章は、「十字架のもとに童謡を……」は、「赤とんぼ」を作曲した山田耕筰、作詞の三木露風、「椰子の実」を作詞した島崎藤村、作曲の大中寅二。彼らに共通することは何かを解説。第三章は、聖歌「まもなくかなたに」を作ったロバート・ローリー牧師と「故郷」の岡野貞一。彼らは一体何を伝えたかったのだろうか。
森 祐理の美しい歌が随所に流れ、ライブDVDを観ているように一つのストーリーが展開していく。ぜひ観ていただきたい。シリーズ第二弾では、「聖書を読んだサムライたち」を制作する予定だ。