What’s New 信仰に支えられて貫かれた「サムライ女性」の心意気

熊田和子
フリー編集者、ライター

「なでしこ=あきらめない女性」という式がすっかり定着しました。このDVDでも、明治を代表する三人の気骨あるクリスチャン女性が描かれています。
一人目は、二〇一三年のNHK大河ドラマのヒロイン新島八重。会津のジャンヌ・ダルクといわれた八重は、戊辰戦争では断髪・男装し砲術をもって活躍。若松城(鶴ヶ城)籠城戦では、スペンサー銃を携えて奮闘した女傑です。後に同志社大学の創立者・新島襄と結婚し、ただ従うだけの妻ではなく、ベスト・パートナーとして夫を支えました。周囲からは、当代一の悪女、烈婦などと酷評されますが、夫は彼女を心の美しい「ハンサム・ウーマン」と言って、生涯尊重しています。
二人目の荻野吟子は、正式な資格を持った日本の女医第一号。夫にうつされた性病に苦しみ、男性医師の診察を受けるしかない屈辱と、診察も受けられずに命を失っていく女性たちを救うため、自ら医師になろうと決意します。数々の誹謗中傷の中で、女医としての一歩を踏み出しますが、彼女を待っていたのは……。弱き者への共感で貫かれた吟子の生涯は、明治の女性の潔さ、全てを失った者の強さが際だっていて、心打たれるものがあります。
三人目は、津田塾大学創立者・津田梅子。わずか六歳で親元を離れてアメリカに留学した梅子は、自立したレディーとなって十年後に帰国。しかし、あまりに女性の立場が低い日本の現状に愕然とします。梅子は、女性の地位や権威を主張して男性と競争するのでなく、協力できる女性になることを提唱し続け、女子教育に尽力ました。
たんなるクリスチャン偉人伝として描かれていないからでしょうか。それぞれに状況は違っても、痛みや苦しみ、挫折を味わった一人一人の人生をたどりながら、自分も困難に立ち向かっていけそうな勇気と元気をもらいました。
教会学校の成人クラスや婦人会の学びのテキストとして、一人ずつ取り上げ、読書会ならぬビデオ会を開いて、このサムライ女性たちの信仰と生き方について語り合っても面白いと思います。

「キリスト教的新発見!
目からうろこシリーズ Vol.4
聖書を読んだサムライたちⅢ―時代を駆け抜けた三人のなでしこたち―」

■本編85分(新島八重、荻野吟子、津田梅子)+特典映像16分「新島八重と会津の女たち」(解説:守部喜雅) ■出演:森 祐理、守部喜雅(監修)他 ■テーマ曲:Samuelle「Believe in Love」

個人鑑賞用 3,990円 (49007)
教会・団体・図書館用 6,090円 (49008)

製作・発売元 ライフ・クリエイション
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