What’s New 東日本大震災から1年
――二つの意義ある集会
礒川道夫
ライフ・クリエイション ディレクター
東日本大震災から1年。スタイルは対称的だが、とても意義ある二つの集会が仙台で開かれた。一つは、「東北・希望の祭典」。セキスイスーパーアリーナでの3日間の集会だ。ゲストがすごい。第一線で活躍するゴスペルシンガーのカーク・フランクリン。彼は六本木のライブハウスを満席にするほどの根強い固定ファンを持っている。小柄だがステージに立つと存在感があり、会衆を巻き込むビッグなアーティストだ。そんな彼が福音をはっきりと全面に出して歌うのだから、これこそ本物のゴスペルである。
また、韓流スター元U-KISSのアレクサンダーや、最終日には、5月に東京ドームでコンサートを行うスーパージュニアのチェ・シウォンが登場した。こういったキリスト教色の強い集会に出演するには、自費が必要なこともあるのかもしれない。メジャーなミュージックシーンで活躍しながらも、神を証しする姿に励まされる。それにしても、朝9時からファンが並んでいたのには驚いた。
日本らしさを出す演出も見事だった。柳川立行と三宝会の和太鼓演奏で始まり、演歌歌手のみずき舞、そして盲目のテノール歌手の新垣勉と続けば、参加者の心には、何かが届いたはずだ。
もちろん最後は、被災地で1年間物資の支援をしてきたサマリタンズパースの総裁でもあるフランクリン・グラハムの十字架の希望のメッセージ。
巨大アリーナでは信仰の決心をする人々が前に進み出る。真っ暗で雪が積もっているアリーナの外に出ると、仮設住宅からのべ2,000人の皆様を乗せて来た何十台というバスが停まっていたのが印象的だった。
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もう一つは『神を信じて何になるのか』の著者で、クリスチャンジャーナリストであるフィリップ・ヤンシーの講演会だ。彼は本書の序文で、出版直前に起こった今回の大震災に対して、「本書のタイトル『神を信じて何になるのか』は、間違いなく今、日本の多くの人々が問うている疑問です」と述べている。そんな彼の講演を聴きたいと、会場となった教会は200名の方々で満席だった。多くの申込みを断わらざるを得なかったという。前日には被災地である気仙沼市、石巻市、南三陸町を訪問したヤンシー夫妻。実際に自分の目で今回の地震と津波の被害を確認したヤンシーが何を語るのか、会場には皆さんの真剣なまなざしがあった。詳しくは、その講演を収録したDVD(58分/英語、日本語)が発売となったのでご覧いただきたい。ある被災された牧師が、「自分のこれまでの体験をよく整理することができた。ゆっくり痛みから癒される必要を感じた」と感想を語っていた。
*DVD東日本大震災 フィリップ・ヤンシー講演「神を信じて何になるのか」
個人鑑賞用 (49005)……1,890円
教会・団体上映・図書館用(49006) ……3,990円
問い合わせ : ライフ・クリエイション(いのちのことば社)
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