単立 ニューライフキリスト教会　豊田信行

『エクササイズ
―生活の中で神を知る』
ジェームズ・ブライアン・スミス 著
松本雅弘 訳

四六判　2,200 円+税
いのちのことば社

著者は霊性神学の第一人者ダラス・ウィラード氏とリチャード・フォスター師から薫陶を受けてこられました。両氏からイエスキリストに似る者へと変えられていく霊的形成のビジョンと具体的な過程を学ばれた貴重な経験が本書の青写真となっています。原文のタイトルは、「The Good and Beautiful God」副題は「Falling in Live with the God Jesus Knows」です。霊的形成の土台は、イエスが啓示してくださった、「善なる神」、「美しい神」という真実に基づいた神観を持つことに尽きます。本書で紹介されている霊的修練（エクササイズ）は、神に対する思いの刷新と深く関連づけられています。キリスト者が霊的修練に真剣に取り組みながら、霊的形成に行き詰るのは歪められた神への思いの刷新が同時進行していないからです。読者は神への思いを深く探り調べられるだけでなく、聖霊なる神の助けと適切に関連づけられたエクササイズとによって思いの刷新を経験されることでしょう。神の善と美に心打たれることでしょう。
「睡眠」が最初に取り上げられていることから両氏の薫陶を受けてこられたことが分かります。継続した緊張状態こそが霊的形成の最大の妨げとなるとの考えには、極度の疲労感の背後に神を信頼して休息できない、「隠された神への不信感」が隠れているからです。神を信頼して、ぐっすりと眠ることが大切なのです。
「人間の人格とは、単に肉体の中に宿っている魂というものではありません。私たちの体と魂とはひとつに結び合わされているからです。もし体が苦しめば、魂も苦しみます」（四八頁）
体と魂は霊的形成を前進させる両輪です。体の管理を怠ることで霊的形成は停滞します。本書が紹介するエクササイズが習慣化されると、体と魂が強く結び合わされ、停滞していた霊的形成が着実に前進するでしょう。イエスに似る者へと変えられることを切望するすべての人に本書を心から推薦致します。最後に、翻訳の労を取ってくださった松本雅弘先生には心から感謝の意を表したいと思います。