羊毛に関わる小さなお話 第3回 「青い空はどこまでもつながっている」

羊毛フェルト作家 泉谷千賀子

顔をのぞかせた土筆やタンポポの上に、柔らかい光が降り注ぐ春が訪れました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
2月から3月にかけて羊の赤ちゃんたちは一斉に生まれます。母羊からは1頭もしくは2頭が生まれ、大切に育まれます。子羊たちは芽吹いたばかりの栄養豊かな軟らかい青草を食べて育ち、出産で疲れた母羊たちはゆっくりと体力を回復させます。神様の細やかなご配慮にびっくりです。そして上唇が左右に分かれているために短い草もちぎりやすいことには驚きます。
*              *               *
今年も3月になりました。あの大きな地震から6年目の春を迎えます。私の故郷は福島県です。時の流れの中で、前に進めたこと・難しいこと・新たに生まれた問題などがあります。答えを求めてふと空を見上げると青い空はどこまでもつながっています。私の真上の空も福島の空も熊本の空も遠く中東の空も……どこまでも繋がっています。そしてその青い空のもっと上の高いところに、神様あなたがおられることが救いです。
祈りだけで復興は進みませんが、祈ることが前に進む力になることを信じています。
さて今月は降り注ぐ日差しの中のスズメさんたちの登場です。さあ、みんな一緒に遊ぼうよ! 春が来たよ♪
「人の歩みは主によって確かにされる。主はその人の道を喜ばれる。」(詩篇37篇23節)
では、また来月ほっこりとお目にかかれますように。