特集 真のリーダーシップとは 教えるだけでなく、仕えるリーダーシップ
聖書キリスト教会 中野ジョイフル教会 牧師 李 英 淑
四十六歳の若いジン牧師が、元老牧師がいる当時出席者数二万五千人の大型教会に赴任することは、さぞかし負担に感じることもあったと思います。
ジン牧師は赴任して間もなく元老牧師に主日説教を任せて、何か月もかけてすべての幼稚部、小中高生の礼拝で説教をされました。また、信徒との交わりのため、個別の家庭訪問も始められたそうです。さらに電話番号とメールを公開して、フルタイムの教職百二十名と、パートタイムの教職四十人、合わせて百六十人全員にメールを送られたこともありました。しかしながら側近の数人からしか返事がなく、嫌われているのかと思われたとか。ですが、今では事務職員にいたるまで、全員とメールでやり取りができる関係になったそうです。元老牧師を愛し、敬いつつ謙遜な心で仕えたことが、二代めの牧師として成功した秘訣だと記事で読んだことがあります。元老牧師と後任牧師の望ましい関係について、「元老牧師と後任牧師が父と息子のように霊的な信頼と尊敬で結ばれて、信徒の前においては父と母のようにそれぞれの役割をよく果たし、愛し合うことを見せると、それだけで力となり、喜びとなる。元老牧師と後任の牧師が深い信頼と愛をもってともに働くこと。信徒はそれを見るだけでも幸せになるのです」と語られています。
私がジン先生が担任しておられる地球村教会の派遣宣教師として働いていたときのことです。地球村教会では、宣教師たちを定期的に招いて安息の時間をもち、地球村の共同体のビジョンを分かち合い、霊的に充電をする時間が与えられます。都心から離れている修養館ですべてのプログラムを終えた後の、バーベキューの時間でした。ジン牧師はエプロン姿で現れました。そして自ら肉を焼いて、笑顔で一人一人に話しかけながら仕えておられました。
ジン牧師はケニヤの宣教師として働いていた経験もあって、宣教師たちに格別な関心と愛の心があるのです。そのあと、多忙なスケジュールの中でも時間を割いて、宣教師たちと交わってくださり、霊的に回復して宣教地に向かうことができるように配慮してくださいました。まさに、教えるだけでなく、仕えるリーダシップの模範を示してくださるリーダーだと思います。