羊毛に関わる小さなお話 第7回 太陽の季節

羊毛フェルト作家 泉谷千賀子

小さな波が、夏の太陽にキラキラと輝くこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
夏に羊毛の話ですか……と、ちょっと残念に思われることでしょう。確かに羊毛は寒い冬の素材のイメージです。
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しかし、ウールは冬に暖かく夏には涼しいのです。縮れた毛が空気の層を作ってくれるので、外気との間の仕切りになります。暑い空気を遮って凌ぎやすくしてくれます。さらに湿気を吸収し、気化熱で涼しくしてくれます。シワにもなりにくく天然のタンパク質は最後には土に還ります。
そういえば、布おむつの時代におむつカバーはウール100%でした。そして今でもお洒落な紳士のスーツはサマーウールです。やっぱり羊毛は万能素材なのです。
今月は主の招きを受けて、瑠璃色の海にやって来たロバ君たちです。ともに歌い祈りあい賛美しましょう。

「見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんとしあわせ、なんという楽しさであろう。」(詩篇133・1)

今月も皆様の上に主の平安がありますように祈ります。ではまた来月ほっこりとお目にかかれますように。