羊毛に関わる小さなお話 第9回 羊毛を手にして
羊毛フェルト作家 泉谷千賀子
暑さは残りますが、暦の上では秋になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
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ちょっぴり涼しくなると、何かを始めたい気持ちになるから不思議です。スポーツ、音楽、もの作り……。
手芸用品売り場には、小分けにされた手頃な羊毛が並んでいますが、専門のお店に足を運ぶと「一頭買い」をして仕入れた羊毛の固まりが置いてあります。大きな羊毛の包みを見ると、私はいつも「ギデオンの羊毛」(士師記6章)を思います。神様のみこころを確かめようと羊毛を置く場面を想像してみると、はるか遠い昔のお話が、目の前の羊毛と重なります。日々の小さな生活の中に、神様の量り知れない大きな愛を感じます。
おやっ! 礼拝堂の中から、美しいさえずりが聞こえてきました。ギターのつま弾きも響いています。そっとのぞいてみたら、スズメさんたちが小さな体いっぱいに神様を賛美していました。
『神よ。あなたに、私は新しい歌を歌い、十弦の琴をもってあなたに、 ほめ歌を歌います。』(詩篇144・9)
夏のお疲れが出ませんようにご自愛ください。
では、また来月、ほっこりとお目にかかれますように。