書評Books 霊的・精神的・知的・情操的成長 のために親が与えられる訓練
OMFザチャペルオブアドレーション 宣教師 菅家容子
『祈り合う家族になるために―家庭礼拝のススメ』
大嶋裕香 著
新書判 900 円+税
いのちのことば社
「私、裕香ちゃんの結婚のこと祈ってるの。ねぇ、これから毎日一緒にお祈りしない?」職場の上司にこう誘われ、毎日祈るようになるところからこの本は始まります。「私は大胆に、自由に、正直に祈ることを教えられました。そして自分だけでなく、ともに祈ってくれる方たちの存在を通して、神様を信頼し続けることを学んだのです。」 本書は、祈り合う夫婦、家庭を何より望み、主に求めてこられた著者の神様への信頼と、それに応えてくださる主のご真実の証しともいえるでしょう。
一読して心に残るのは、大嶋夫妻が夫婦となり家庭を築くにあたり、多くの信仰の先輩から謙虚に学びつつ、自分たちに合ったスタイルで夫婦デボーション、家庭礼拝を作り上げていかれた姿です。子どもたちの成長に伴い、その持ち方も毎日から月二回ほどに柔軟に変化。家庭礼拝とは毎日持つもの、と思い込み、挫折していた私には「目から鱗!」の発想でした。「こうあらねば」ではなく、「自由に、正直に」です。そして夫婦の祈りの時間を優先させるようになったといいます。ここがまたみそだと思いました。家庭の中心はあくまで夫婦関係。夫婦関係が優先されてこそ、夫婦が一つになり、子どもを養い、導くことができるのです。また家庭礼拝が子どもにとって楽しく習慣になることが大切だと考え、短くし、礼拝後にはゲームやデザートの時間を持つなどの工夫にも教えられます。そして家に来られる多くの若者たちも家庭礼拝に招き入れ、一緒に賛美し、暗唱聖句をし、救いの証しをしてもらい、彼らにとってクリスチャンホームの生きたモデルとなってこられました。
エピローグにある家庭礼拝の三つの恵みが素晴らしいです。霊的・精神的・知的・情操的成長のため、親が子どもに与えることのできる最高の訓練、養い、ギフトだと思いました。
書評を書こうと机に置いておいた本書、大学から帰宅した娘が私より先にあっという間に読み大感激。祈り合う家庭を願うすべての方に、特に若い方々に超オススメです!