砂漠の花園 第2回 忍耐して待った結果得られるもの
フォトグラファー サンティラン前田登茂恵
砂漠の照りつける太陽の下、「砂漠たんぽぽ」がまぶしいほどの黄色に輝いて咲きます。咲き始めは真ん中が固まって濃いオレンジ色をしているのですが、成長するにつれてどんどん広がっていき、最後にはすべて黄色の花びらになります。たくさんの細い花びらが何層にも重なって咲き、何とも言えない美しさです!
でも、砂漠でこういう小さな花を撮るのって、結構難しいというか、忍耐がいるのです。風が強くて花が揺れるので、構図を決めて用意したまま、その姿勢で風が止まる瞬間を、息を殺し、忍耐して待たなくてはなりません。瞬間風速時速50キロの強風注意報が出ることもある南カリフォルニアの砂漠では、たまにすごく強く吹きつけるので、動かずに立ったままでいるのが難しいほどです。腰を曲げたままいつまでも風がやまないと疲れてしまい、腰を伸ばして構図の決め直しです。サボテンがあちこちにあるので、寝転がることもできません。特に、この砂漠たんぽぽ、花びらが細くて小さいので、ちょっとした風でもひらひら揺れるんです。すると写真がぼけぼけになります。でも、美しく輝く花を撮りたいので、忍耐して待つのです。
砂漠の花たちも、冬の間、荒地の下で春が来るのを忍耐して待っています。主が恵みの雨と太陽を、ちょうどよいバランスとタイミングで与えてくださって、花咲かせ輝かせてくださる時をじっと待っています。だから、花咲いたときの輝きは格別です。主に向かって喜びの賛美を歌っているようです。
私たちも、人生の中で過酷な荒地を歩んでいるように感じるとき、主が絶えずよい地へと導いてくださっていて、パーフェクトなタイミングで恵みの雨を降らせてくださるのを覚えていることができますように。厳しく寒い冬の季節を歩んでいるように感じるとき、必ずやってくる暖かい春の季節を期待して待ち続けることができますように。
忍耐して待った結果得られるものを楽しみにしていれば、力が湧いてきます。「試練に耐える人は幸いです。耐え抜いた人は、神を愛する者たちに約束された、いのちの冠を受けるからです。」(ヤコブ1・12)