書評Books 主の霊に出会い、新しく立ち上がる力をいただく

『ポケットのなかの祈り
―26人のアンソロジー』
フォレストブックス編集部 編
四六判 1,200円+税
フォレストブックス

音楽伝道師
日本国際飢餓対策機構親善大使 紫園 香

 

『ポケットのなかの祈り』を日々音読して、聖霊の「風」を感じている。
マザー・テレサ、八木重吉、水野源三、フランシスコ・ザビエル、星野富弘……。キラ星のごとく並ぶ素晴らしい詩人たちの、心の深みに語りかける宝石のような言葉……。この本は、まさに言葉の花束、賛美の花束である。
中でも「戦死したロシア兵の祈り」には涙を禁じ得なかった。戦場という極限状況で神に目覚め、自分の命を委ねて御国に旅立ったロシアの青年兵士。死後、彼の外套の中から見つかった詩である。その切実な祈りに神は必ず応えられたと確信する。
言葉って何だろう。
世の中は言葉で溢れている。
でも利害、肉への誘い、自我、そんなものがギラギラしている言葉が多い。そしてどれもがとても空虚。
しかし反面、人を励まし建て上げる素晴らしい言葉がある。その最たるものが聖書のことばだ。神様のことばは創造だ。人を新しく造り変えることがおできになる。神に立ち返らせ、回復させる。
『ポケットのなかの祈り』は、作者たちの信仰を通して、聖霊の風が読む人の心にそよ風となり、どんな隙間からも入って来て、霊を目覚めさせてくれる。またあるときは、私たちを造り変えるほどの強い風となり吹いて来る。
できればぜひ音読していただきたい。
すると言葉に響きが生まれ、それが神様の息となって働いてくださる。
「見よ。わたしはおまえたちに霊を吹き入れるので、おまえたちは生き返る」(エゼキエル37・5)のとおりである。
この本をポケットにしのばせ、慰めや励まし、真理を必要としている友とともに読んで味わってみたい。きっと主の霊に出会い、新しく立ち上がる力をいただくことができるだろう。