砂漠の花園 第4回 真っ赤なスカーレット

フォトグラファー サンティラン前田登茂恵

通称スカーレットヘッジホッグとかクラーレットカップ、またはモハビマウントとも呼ばれるこのサボテン。普段はトゲトゲのサボテンですが、春になると、真っ赤なスカーレット(緋色)の花をいっぱい咲かせます。私はなぜか、そのワックスがかったようなカップ型の花のようすと、緑の粉がふいたような花芯部分を見て、私の母が日本の実家の静岡から送ってくれた、和菓子屋さんの素敵なお茶菓子を思い出すのですが……。とにかく、この真っ赤なスカーレットのサボテンの花、あまりに鮮やかなので、カリフォルニアの砂漠を歩いていると、遠くからでもすぐに目に飛び込んできます。どんなに遠く離れた高い岩山の割れ目に咲いていても、その色ですぐにわかります。
私たちの罪も、神の御前ではそうでしょう。決して隠すことはできません。でも、「たとえ、あなたがたの罪が緋(英語ではスカーレット)のように赤くても、雪のように白くなる」(イザヤ1・18)と神はおっしゃっているのですから、驚きです! でも、そのために、同じように真っ赤なスカーレットの、 聖く尊いイエスの血が流されたことを思います。
2018年の復活祭(イースター)は4月1日です。私たちは毎年、イースターに晩餐式をし、イエスの死と復活を覚えます。人のいのちは血にあり、「いのちとして宥めを行うのは血である」(レビ17・11)ので、イエスが私たちの身代わりになられたことを覚えます。イエスの死と復活によって、私たちにもたらされた神の赦しと和解、神との永遠のいのちと希望を覚えるとき、どんなに感謝しても感謝しきれません。ただ、この命令に喜んで従いたいと思うのです。
「主イエスは渡される夜、パンを取り……それを裂き、こう言われました。『これはあなたがたのための、わたしのからだです。……』食事の後、同じように杯を取って言われました。『この杯は、わたしの血による新しい契約です。飲むたびに、わたしを覚えて、これを行いなさい。』ですから、あなたがたは、このパンを食べ、杯を飲むたびに、主が来られるまで主の死を告げ知らせるのです。」(Ⅰコリント11・23~26)