砂漠の花園 第6回 力と勇気の源

フォトグラファー サンティラン前田登茂恵

サンドバーベナは、その名のとおり、砂地に咲くバーベナです。私が住んでいるビーチ沿いの砂地にも6月頃に少しだけ咲きますが、内陸の砂漠の砂地には、3月頃にたくさん咲きます。私が砂漠の花園に魅せられたのは、もう20年近く前に、どこまでも広がる砂漠の大地一面に、このサンドバーベナが咲き誇る様子を見たからなのです。今ではもう大学生になる娘が、まだヨチヨチ歩きでピンク色のサンドバーベナ畑を歩いている様子が何とも可愛くて愛おしくて、写真を撮りまくりました。同時に、「ああ、私も小さい頃、こんなピンク色のレンゲ畑を歩いたことがあったなぁ」なんて思い出したのです。でも、規模が違います! 迫力が違います! 見渡す限り360度広がる大地がピンク色なのですから。そして、その向こうには大きな渓谷、高い山々が連なっているのが見えるのです。何とも美しく、何とも力強く、荘厳な景色です!
当時、アメリカ人と結婚し、アメリカで生活しながら子育てをしていくことに、戸惑いや不安、さまざまな問題を抱えていました。でも、その迫力ある景色を見て、力が湧いたのです。私の心配事など、とても小さく感じられました。それどころか、私自身の存在すら何とちっぽけかと思わされたのです。創造主なる神の偉大さに圧倒されたからでしょう。
人生にはいろいろなことが起こります。予期せぬことだらけ、思いどおりにならないことだらけです。恐れたり不安になる要素はいっぱいあります。でも、私はこの美しく迫力ある砂漠の花園と、その遠くに大きく高く広がる山々を思い描き、聖書のみことばを思い出すのです。
「私は山に向かって目を上げる。私の助けは どこから来るのか。私の助けは主から来る。天地を造られたお方から」(詩篇121・1、2)
すると、不思議なことに恐れは消え、内側から力が湧き起こり、勇気が出てきます。聖霊によって、神の語りかけが聞こえるようです。
「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る」(イザヤ41・10)