砂漠の花園 第9回「美しい装い」

フォトグラファー

サンティラン前田登茂恵

葉のないヒョロ長い茎がスーッと伸びる「ブルーディックス」。50センチほど高く伸びた茎の上に咲く紫の花が、風でゆらゆら揺れています。その花をよく見ると、いくつもの花が集まって、それ自体でブーケを作っているかのようです。チューリップのような一つ一つの花は、紫の花びらの中にもう一層の白い花びらで包まれた黄色の花芯があり、紫と白と黄色が上品に調和して、何とも気品ある美しい花です。
私が撮る花は、砂漠や荒野に咲く野生の花です。 一日中歩いてもほとんど人に会わないような大自然に行くこともあります。そんな時に見つけるワイルドフラワーの美しさには感動します。それらは 南カリフォルニアの荒野でせっかく咲いてもすぐに枯れてしまう花です。たくさんの人に見られるわけでもなく、もしかしたら、誰にも見られずに枯れてしまうかもしれない花々です。でも、こんなに綺麗なのです!
ふっと、主のことばを思い出します。「野の花がどうして育つのか、よく考えなさい。働きもせず、紡ぎもしません。しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも装っていませんでした。今日あっても明日は炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこのように装ってくださるのなら、あなたがたには、もっと良くしてくださらないでしょうか」 (マタイ6:28-30)
まったくそのとおりです。王宮で豪華な王服を着ていたソロモンよりも、人知れず咲く野生の花を、神はこんなにも美しく装ってくださるのです。だとしたら、イエスを信じる信仰によって神の子とされた私たちには、どんなに良くしてくださることでしょう。ご自身の栄光の富をもって、私たちのすべての必要を満たし(ピリピ4:19)、私たちを美しく装って傷のない者とし(ユダ24)、私たちに関わるすべてを成し遂げてくださるに決まっています!(詩篇138:8)そう思うと、将来を心配する代わりに、主に目を向け、大いに喜んで期待しようと思うのです。
「まず神の国と神の義を求めなさい。そうすれば……すべて、それに加えて与えられます。」(マタイ6:33)